ブリッジファイナンスで資金調達!意味から実行するポイントまで解説

2025.03.25

#ブリッジファイナンス

ブリッジファイナンスで資金調達!意味から実行するポイントまで解説

ブリッジファイナンスは、次の資金調達までの「つなぎ」として活用できる方法であり、直近の資金繰りを改善したい場合に有用な方法です。本記事では、ブリッジファイナンスの基本や活用シーン、具体的な方法を解説します。

 

目次

ブリッジファイナンスとは ブリッジファイナンスの活用シーン 一時的な資金不足への対処 ビジネスチャンスを逃したくないとき 次のラウンドまでの「つなぎ」 ブリッジファイナンスの種類と特徴 デッドブリッジファイナンス(ブリッジローン) ファクタリング 株主や第三者への割当増資 RBF 不動産担保ローン BNPL等の新たな資金繰り手段 ブリッジファイナンスを実行する際のポイント 資金が必要な理由を明確にする リスクを知っておく 専門家への相談も検討する ブリッジファイナンスを活用して一時的な資金不足を乗り切ろう

 

スタートアップ企業が選択できる資金調達方法は多岐に渡りますが、短期的な資金繰りを目的とする場合は「ブリッジファイナンス」が有用です。事業成長を促進するにあたって資金不足の懸念がある際は、検討価値の高い方法といえるでしょう。

一口にブリッジファイナンスといっても、次の2つの意味があります。

  • 橋渡しの意味で、商業銀行などが買収企業に対して行う短期融資
  • 個人事業・中小企業が資金繰りのために行うつなぎ融資

本記事では、スタートアップ経営者向けに、2つ目のつなぎ融資としてのブリッジファイナンスについて解説していきます。資金面の課題解決の糸口として、ぜひご参考ください。

ブリッジファイナンスとは

ブリッジファイナンスは、次の資金調達を実行するまでの「つなぎ」として活用される短期融資です。長期融資を受けるまでの資金繰りに充当されるケースが多く、例えば設備投資や運転資金、M&A資金などに活用されます。

通常の融資よりも金利が高い傾向にあるため、短期間で返済する必要性が高い融資となっています。スタートアップ企業にとって有用な資金調達方法の1つですが、金利面などのリスクもあるため、活用の際は慎重な判断が求められます。

ブリッジファイナンスの活用シーン

前述した通り、ブリッジファイナンスは短期的に活用する融資です。では実際にはどのようなシーンでブリッジファイナンスの活用が検討できるのか、主なケースを具体的に紹介します。

一時的な資金不足への対処

予期せぬトラブルなどにより一時的に資金が不足する場合、かつトラブルを解消できれば滞りなく返済できるケースでは、ブリッジファイナンスが有効な手段となります。

例えば、商品やシステム開発の進行中に問題が発生し、対処のために追加の人員を雇う必要がある場合などです。問題が解決すれば、当初の計画通りにリリースし収益を上げられるため、借り入れた短期融資も返済が可能となります。

必要分だけの資金を借り入れることで、事業運営の柔軟性を保つことができます。

ビジネスチャンスを逃したくないとき

投資を行いたいけれど、一般的な融資などの資金調達が間に合わない場合、例えばM&Aや新規事業への投資、設備投資など、ビジネスチャンスがあるけれども手元の資金が不足していて踏み切れない、というようなケースでもブリッジファイナンスが有用です。

例えば、M&Aによる事業拡大を想定していたものの、相手企業の価値が予想以上に高くなり追加資金が必要となった際、ブリッジファイナンスで不足分を補うことができます。また、事業が想定より早く成長しているため、計画を前倒しするための資金をブリッジファイナンスで確保し投入するケースも考えられます。

このように事業の成長・拡大を目的とする場合は、まずブリッジファイナンスでつなぎとなる投資資金を調達し、その後通常の資金調達ができたところでブリッジファイナンスで調達した資金を返済していく流れが一般的です。

次のラウンドまでの「つなぎ」

スタートアップ企業は事業の成長段階、つまりエンジェルラウンド、シード、シリーズA、シリーズB、シリーズC、シリーズD以降のラウンドを経て資金を調達していくことになります。

その際、次の資金調達ラウンドまでの「つなぎ」としてブリッジファイナンスが活用されます。予測していなかった支出や事業計画・戦略変更に伴う追加の支出への対応資金とすることで、事業計画をスムーズに進めるための資金繰りが可能となります。

関連記事:

【シリーズBにおける資金調達方法】投資ラウンドでの定義、注意点や事例を紹介

ブリッジファイナンスの種類と特徴

ブリッジファイナンスとして活用できる資金調達方法はいくつかあります。それぞれ特徴が異なるため、活用の目的や企業の状況に合わせて適切な方法を選択してくことが求められます。

デッドブリッジファイナンス(ブリッジローン)

デッドブリッジファイナンスは、返済期間が3カ月程度の短期融資です。保証人なしで活用できるケースもあり、急な資金繰りが必要な際に有用な選択肢となります。迅速に資金調達できる、柔軟性の高さが魅力といえます。

ただし、金利が高めに設定されているため、借り入れ金額や返済計画について慎重な検討が必要です。金利は2%〜4%程度のケースが多い傾向にありますが、保証料や手数料を含めた実質年利は10%を超える場合もあります。条件によっては負担が大きくなる可能性があることに留意しましょう。

ファクタリング

ファクタリングは融資ではありませんが、広義ではブリッジファイナンスとして活用されることがあります。

ファクタリングとは、手持ちの売掛債権をファクタリング事業者に売却することで、期日前に現金化する方法です。手数料がかかりますが、早ければ数日以内に売掛債権を現金化できるため、急な資金が必要な際は特に有用です。

借入金と異なり負債ではないため、返済の必要もありません。ただし、日本では2005年の債権譲渡登記制度の改正以降に発展したサービスと歴史が浅い仕組みのため、ファクタリング事業者選びには十分な注意が必要です。

ファクタリングについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご参考ください。

関連記事:

ファクタリングとは?メリットやデメリット、資金繰りで注意したい点も紹介

株主や第三者への割当増資

株主や第三者への割当増資は、企業が資金調達を目的として新たに株式を発行し、既存の株主や第三者に有償で引き受けてもらう方法です。企業は自己資本を増強することができます。

株主割当増資では、既存の株主に新株を発行し、その株式を引き受けてもらう形で資金を調達します。株主の持株比率や株主構成比率は変わらないため、株主間のバランスが保たれ、また株主の影響力も変わることはありません。

返済の必要がないため資金調達後の負担が少ない一方、企業の株式数が増えるため、将来的な株主価値の希薄化や株主間の調整が必要になることもあります。

RBF

RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)は、将来予測される売上の一部を現金化する資金調達方法です。原則担保や個人保証が不要で、審査も比較的短期間で完了します。将来の売上が重視されるため、成長途中のスタートアップ企業でも活用できる可能性が高い方法です。

特に、継続的に利益を上げている企業、例えばSaaS(※1)企業や月謝を受け取るジム・塾、保守業務などで年間契約を結ぶ企業に向いています。

「定額制」と「変動制」どちらを選択するかで、返済方法が変わります。詳しくはこちらの記事で解説しています。

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RBFとは?スタートアップ企業が活用するメリットやほかの資金調達との違いを解説

※1 クラウドサーバーにあるソフトウェアを、インターネットを経由してユーザーが利用できるサービスのこと。

不動産担保ローン

不動産担保ローンは、自社が所有する不動産を担保に資金を調達する方法です。抵当権が付いている不動産でも、担保評価に余力があれば融資を受けられます。無担保の融資に比べて金融機関の審査が通りやすく、融資を受けるハードルが低い傾向にあります。

また、使用使途の制限も緩く、事業資金として幅広く活用できる点も企業にとってメリットです。例えば、事業承継における相続税の納税としても活用できます。

保有している不動産の有効活用にもつながります。

BNPL等の新たな資金繰り手段

ブリッジファイナンスとして、BNPL(※2)やBPSP(請求書カード払い)のような資金調達に代わる手段を活用する方法もあります。どちらも支払サイトを延長できるため、売上が立ってから支払いを行えるようになります。

例えば、弊社のマーケティング費や広告費の分割後払いサービス「AD YELL(アドエール)」(※3)や請求書をクレジットカードで支払うことで、最大60日後に支払い延長可能なサービス「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」は、キャッシュアウトを遅らせることが可能です。キャッシュフローの改善にもお役立ていただけます。

投資を増やしたいけれどエクイティやデットでは対応が難しい場合、このようなキャッシュアウトを遅らせる方法が「つなぎ資金」としても有用です。

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BNPLとは|法人向けBNPLの仕組みや活用するメリットを解説

※2 後払い式の決済手段「Buy Now, Pay Later」の略。信用調査が簡易なため、欧米・若年層を中心に市場の広がりを見せている。今後、さらなる市場規模の拡大が予測されており、BtoB向けサービスの広がりも注目を集めている。

※3 「AD YELL」は、バンカブルが提供しているWeb広告の出稿費用を4回に分割・後払いが可能となるサービスです。請求書払いと法人カード払いに対応しており、オンラインによるお申し込みから最短3営業日でご利用が可能になります。原則として、担保や連帯保証人のご用意が不要(*)で、融資ではなく立替でサポートするため、今後の事業者さまの借入枠にも影響を及ぼしません。これらのサービスを通じて、事業者さまのキャッシュサイクルを改善し、運転資金を圧迫しない形で事業成長を支援いたします。

*「担保・連帯保証不要」は原則であり、場合によってはその限りではありません。ご了承くださいませ。

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ブリッジファイナンスを実行する際のポイント

ブリッジファイナンスをよりスムーズに実行するために、おさえておきたいポイントを紹介します。

資金が必要な理由を明確にする

スムーズに資金を調達するには、「なぜつなぎ資金が必要なのか」また「なぜその融資額が必要なのか」を根拠とともに明確に示すことが必要です。

例えば、新たな大口顧客からの受注が決まったものの、商品の製造やサービス提供にかかる初期費用が先行するため、一時的な資金不足が発生するケースを考えてみましょう。この場合、今後の契約金等の支払スケジュールと、その後のキャッシュインフローを示すことで、融資元に返済の見込みを具体的に提示することができます。

このように資金が必要な理由や返済計画を具体的に提示することで、融資元も資金調達の目的と返済能力を判断しやすくなります。審査もスムーズに進む可能性が高まります。

リスクを知っておく

短期融資であるブリッジローンは、返済までの期間も短く設定されています。もし期限までに返済できない場合、企業として社会的信用を失うことにつながり、さらに遅延損害金や事務手数料など追加の支払いが発生するなど、大きな負担が生じる可能性があります。

また通常の融資よりも金利が高い傾向にあるため、ブリッジローンを活用する際は、短期間で返済可能かどうかを慎重に評価し、キャッシュフローに支障が出ない範囲で資金調達することが求められます。

専門家への相談も検討する

資金調達の課題は専門家に相談するのもおすすめです。今回紹介したブリッジファイナンス以外にも、「つなぎ」や喫緊の資金調達が必要な場合にスタートアップ企業が活用できる方法は多数存在します。資金調達の専門家へ相談することで、すでに検討している方法だけでなく、まだ把握していない新たな選択肢が見つかるかもしれません。

例えば、日本政策金融公庫や中小企業基盤整備機構、よろず支援拠点などであれば無料で相談できます。

また有料にはなりますが、資金調達コンサルティングへの相談も検討価値が高い方法です。企業の状況に合わせた適切な戦略を立て、効果的な資金調達を支援してもらえます。資金調達コンサルティングに依頼できることや、メリットなどはこちらの記事で詳しく解説しています。

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資金調達でコンサルティングは必要?支援内容から選び方まで紹介

ブリッジファイナンスを活用して一時的な資金不足を乗り切ろう

ブリッジファイナンスは、次のファイナンスまでの「つなぎ融資」として活用できる資金調達方法です。想定外のトラブルへの対応や事業成長の促進など、一時的な資金不足が予想される場合に有用といえます。

ブリッジファイナンスにもいくつか方法があります。デッドブリッジファイナンスやファクタリング、またBNPLなど資金調達に代わる手段を含めると選択肢は豊富です。必要に応じて資金調達コンサルティングなどの専門家のアドバイスも受けながら「つなぎ融資」の方法を検討していきましょう。

例えば弊社が提供している、マーケティング費や広告費の分割後払いサービス「AD YELL」や「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」を活用することで、キャッシュフローの改善を図ることが可能になります。

資金調達方法を多角的に見極めることでよりよい方法を実現し、企業の成長につなげていきましょう。

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