BPSPとは?企業が活用するメリットや課題、おすすめサービスを紹介

2025.03.26

#BPSP

BPSPとは?企業が活用するメリットや課題、おすすめサービスを紹介

BPSPについて詳しく知りたいスタートアップ企業や経営者に向けて、BPSPの概要や活用するメリット、課題を解説します。BPSPのおすすめサービスや活用する際の基本的な流れも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

目次

BPSPの概要 BPSPとは BPSPの仕組み BPSPが注目されている背景 BPSPはどういうときに活用できる? 仕入などの取引をクレジットカードで行いたい場合 超短期的に資金調達をしたい場合 BPSPとほかの資金調達方法の違い スタートアップ企業がBPSPを活用するメリット スピーディーに活用開始できる 業務効率化を図れる 資金繰りの改善が期待できる スタートアップ企業がBPSPを活用する際の課題 手数料がかかる 利用限度額が設定されている セキュリティリスクがある BPSPを活用する際の基本的な流れ STEP1:会員登録 STEP2:クレジットカード番号の登録 STEP3:申請手続き BPSPサービス比較3選 「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」 「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」とは 「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」のメリット 支払い.com INVOY(インボイ) BPSPを活用して資金繰りの改善を図ろう

 

BPSPとは、通常銀行振込が必要な請求書の支払いをクレジットカード払いにできるサービスです。支払いサイトを延長できることから、近年は資金繰りを改善できる第3の資金調達手法として注目が高まっています。

特に、目前のキャッシュアウトに対応したいなど、迅速な資金調達が必要なケースに有用な方法です。また、業務効率化の点でもメリットが多く、生産性向上の観点からBPSPを活用する企業も増えています。

本記事では、BPSPの概要や活用するメリット、実際の活用の流れなどを解説します。サービス例も紹介しますので、BPSPの活用を検討する際にぜひお役立てください。

BPSPの概要

まずはBPSPとはどのようなサービスなのか、BPSPの基本を解説します。

BPSPとは

BPSP(Business Payment Service Provider)は、企業間取引における請求書支払いプロセスを効率化するサービスです。

通常カード決済は取引先がクレジットカード会社の加盟店でないと利用できないため、基本的に仕入先や取引先への支払いは、請求書に基づいて銀行振込で行うケースが多い傾向にあります。そのため、たとえ自社側としてカード払いを希望しても、活用できるケースは限られているのが実情です。

このような状況で役立つのがBPSPサービスです。BPSPサービスであれば、カード決済を受け付けていない売り手側との取引を、クレジットカードで行うことが可能になります。

本来振り込みでしか対応できない支払いをカード払いできるため、利便性や業務効率化の観点からも、特に近年注目を集めています。

BPSPの仕組み

BPSPは、売り手企業(支払い先)と買い手企業(自社)の間にBPSP事業者が仲介役として介入することで成り立ちます。買い手企業はクレジットカードを使用してBPSP事業者に支払いを行い、BPSP事業者はその代金を銀行振り込みで売り手企業に送金します。

クレジットカードを活用するため、買い手企業はカードを所持していることが前提です。

このようにBPSPを活用すれば、売り手側はカード決済の導入が不要でありながら、買い手企業はクレジットカードを活用した柔軟な支払い方法を選択できるようになります。

BPSPが注目されている背景

企業間取引では、代金の支払いと売上の入金にタイムラグが生じるため、資金繰りに課題を抱える企業が多く見られます。こうした課題を解決する手段の1つとして、クレジットカード決済が挙げられますが、売り手企業がカード決済に対応していないケースも少なくありません。

BPSPは売り手企業がカード会社の加盟店である必要はないため、カード会社に支払う手数料負担が発生しません。通常一回の取引ごとにかかる手数料が発生しない点は、売り手企業にとってメリットといえます。

また、買い手企業はカード払いを選ぶことで支払いサイトを伸ばしたり、大口取引で貯まるポイントを活用したりするなど、資金繰りの柔軟性や付加価値を得られるメリットがあります。

このような売り手企業と買い手企業ともに利益を得られる点から、新しい選択肢としてBPSPが注目を集めているといえます。

BPSPはどういうときに活用できる?

実際にBPSPはどのような場合に有用性が高いのか、具体的なケースを紹介します。

仕入などの取引をクレジットカードで行いたい場合

通常、取引にクレジットカードを利用できるかは、売り手企業の状況に左右されます。しかしBPSPを活用すれば、売り手企業がカード決済に対応していなくてもクレジットカードでの支払いが可能になります。さらに、複数の取引先への支払いをクレジットカード払いに集約することで、経費管理が容易になり業務効率化にも寄与するでしょう。

特に法人カードをすでに保有している場合は、新たな準備は不要です。特別な準備なくBPSPの導入を進められます。

支払い方法を柔軟に選択したいと考えている場合は、検討価値の高い方法といえます。

超短期的に資金調達をしたい場合

企業間取引では、支払いが前払いや一括払いで行われる一方、売上は売掛金として処理されることが多い傾向にあります。このようにキャッシュインとキャッシュアウトにタイムラグがある場合、支払いに必要なキャッシュが不足するなど資金繰りが難しくなることがあります。

目前に迫ったキャッシュアウトに対応したい、など超短期的な資金調達が必要な状況でとれる手段は限られています。例えば、手続きや審査に時間がかかりやすい融資では対応が間に合わない可能性が高いでしょう。また審査に通るとは限らず、資金調達が成功するか確実ではありません。

一方、BPSPなら請求書の支払いサイトを延長することでキャッシュアウトを遅らせ、目の前の資金不足に対応することが可能です。また、クレジットカードを保有していれば、迅速に導入できるため、超短期的な資金調達を行いたい場合に有用な選択肢となります。

BPSPとほかの資金調達方法の違い

超短期的に資金調達をしたい場合、少ないとはいえBPSP以外にもとれる手段はあります。BPSPと並行して検討できる方法と、その違いは次の通りです。

資金調達方法・資金調達に代わる方法 メリット デメリット
BPSP
  • 企業間取引において、請求書の支払いにクレジットカード決済が活用できる
  • 新たな契約や審査が不要
  • 使用使途が制限されないケースが多い
  • サポート可能枠を超えた支払いには対応できない
  • 一時的に負債が増え、信用スコアに悪影響を及ぼす可能性がある
ファクタリング
  • 売掛金を素早く現金かできる
  • ファクタリング会社が売掛金の回収を行うため、取引先の信用リスクを軽減できる
  • 無担保で活用できるケースが多い
  • クレジットスコアに影響を与えることはない
  • 活用しても銀行審査などに影響を与えない
  • 取引先の信用情報をファクタリング会社に提供する必要がある
手形割引
  • 手形の満期を待たずに現金化できる
  • 迅速に資金調達できる
  • 割引料が発生する
  • 手形が不渡りとなった場合、企業の信用が損なわれる可能性がある
  • 手形割引に頼りすぎると、ほかの資金調達方法が制約されることがある
BNPL
  • クレジットカードを保有していない企業でも活用できる
  • 民間金融機関による融資に比べて審査が早く、短期間でサポートを受けられる
  • サービスによっては資金使途が限られる
  • レスキューファイナンスとしての活用はできないケースもある

現時点では、BNPLの活用が信用情報に影響することはありません(2024年11月現在)。しかし、消費者保護の観点から、将来的には信用情報に影響を与えるようになる可能性もあります。今後の動向に注意しておきましょう。

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スタートアップ企業がBPSPを活用するメリット

スタートアップ企業がBPSPを活用するメリットを具体的に解説します。BPSPを検討する際にご参考ください。

スピーディーに活用開始できる

スタートアップ企業にとって、資金調達のスピードは重要といえます。直近の資金繰りに不安がある場合、融資のように審査や契約に時間がかかりやすい資金調達方法では対応できない可能性が高いでしょう。

一方、BPSP活用に必要な手続きは、会員登録や必要書類の提出など比較的簡易です。基本的にクレジットカードを保有していれば活用できるため、数日ほどでサービスの活用を開始できます。

スピーディーに活用開始できる点は、迅速性が必要な状況下で大きなメリットとなります。

業務効率化を図れる

取引先ごとに決済方法が異なると、管理の手間も大きく担当者にとっても負担となります。BPSPを活用して決済方法を一元化すれば経費管理が容易になり、業務負担の軽減につながります。

また、会計ソフトと連携可能なクレジットカードを活用すれば、手入力の必要がなくなるため、さらなる業務効率化を実現できます。

請求書の対応や支払いにかかる負担を減らすことで、他のコア業務にリソースを割くことが可能になるでしょう。DX化促進にも寄与すると期待できます。

資金繰りの改善が期待できる

前述した通り、企業間取引ではキャッシュインよりもキャッシュアウトが先行する傾向にあります。タイムラグがある状況では、たとえ売上が急成長していたとしても、キャッシュアウト時に現金がなく支払いができない、という状況が発生しかねません。資金繰りの悪化により、最悪の場合、黒字倒産の恐れもあります。

BPSPは、請求書の支払いサイトを延ばすことでキャッシュアウトのタイミングを遅らせるサービスです。売上が立ってから支払いを行えるようになるため、資金繰りの改善が期待できます。特に短期的な資金不足への対策として有効な選択肢です。

スタートアップ企業がBPSPを活用する際の課題

特にスタートアップ企業にとってメリットの多いBPSPですが、活用にあたっておさえておきたい課題もあります。具体的に解説します。

手数料がかかる

BPSPの活用には一定の手数料がかかります。一般的なクレジットカード決済ではカード加盟店である売り手企業側に手数料がかかりますが、BPSPの場合は買い手企業側が手数料を負担することになります。手数料の割合は事業者によって異なりますが、おおよそ取引額の3%〜4%が目安です。

取引額が大きいほど手数料負担も増加するため、活用を決める前に具体的にどの程度の手数料がかかるかを確認しておくことが大切です。手数料を考慮したうえで、BPSPの活用がコストに見合うかどうかを検討する必要があるでしょう。

利用限度額が設定されている

BPSPはクレジットカードを介して支払いを行うため、一般的なクレジットカードと同様に利用限度額が設定されています。そのため、取引額が大きい場合や複数の取引を行う場合など、限度額に達してしまい支払いができなくなる可能性があります。

利用限度額はカード会社ごとに異なるため、事前に自社のカードの限度額を確認しておきましょう。特に高額な取引を予定している場合には、必要に応じてカード会社に限度額の引き上げを相談するなどの対応が必要です。

セキュリティリスクがある

BPSPは、顧客の個人情報や取引データを保護するために、暗号化技術や二段階認証などのセキュリティ対策が採用されています。また、侵入検知システムを導入しているサービスも多く、安全性向上に努めています。しかし、このような対策を講じていても、安全性が100%保証されるわけではありません。

セキュリティレベルはBPSP事業者によって異なるため、事前に活用を検討しているサービスのセキュリティ措置について確認しておいた方がいいでしょう。情報漏洩や不正アクセスを未然に防ぐためにも、信頼性の高いBPSP事業者を選ぶことが求められます。

BPSPを活用する際の基本的な流れ

BPSPへの申し込みから活用開始までの流れを紹介します。

STEP1:会員登録

BPSPを活用するには、まず会員登録を行う必要があります。登録時に求められる情報はBPSP事業者ごとに異なりますが、一般的には企業名や担当者情報、利用するクレジットカード情報などが含まれます。

登録を完了すると、専用の管理ページにログインできるようになり、サービスの活用開始準備が整います。

事前に必要な書類や情報を確認しておくと、より迅速に手続きを進められます。

STEP2:クレジットカード番号の登録

会員登録を完了した後、専用ページにログインし、決済に利用するクレジットカード番号を登録します。多くのBPSPサービスでは、VISAやMastercardなどの国際ブランドのクレジットカードに加えて、デビッドカードやプリペイドカードにも対応しています。

もしクレジットカードを保有していない場合は、新たに法人カードを発行する必要があります。カードが手元に届き次第、登録手続きを行うことになります。

STEP3:申請手続き

BPSPの申請にあたっては、基本的に審査や契約手続きは不要です。取引先から請求書が届いたら、専用ページで決済のための申請手続きを行います。手続きは、請求書の支払い期日の数営業日前までに完了させる必要があります。具体的な期限はBPSP事業者によって異なるため、確認しておくようにしましょう。

クレジットカードの支払い日には、申請した支払い金額と手数料がカード口座から引き落とされます。

このようにBSSPを活用することで取引先への支払いを確実に処理しつつ、自社のキャッシュフローを柔軟に管理することが可能になります。

BPSPサービス比較3選

企業間取引に活用できるBPSPサービスを4つ紹介します。

サービス名 BPSP事業者 支払い期間 審査期間 振込時期 手数料
Vankable 請求書カード払い 株式会社バンカブル 最長60日 最短1日 最短3営業日以内 2.70%(税別)
支払い.com 株式会社クレディセゾンと株式会社UPSIDERの共同運営 最長60日 最短60秒 最短翌日 一律4%
インボイ FINUX株式会社 最長60日 最短約5分 最短3営業日以内 一律3%

「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」

弊社が提供している「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」は、超短期的に資金調達したい場合や、キャッシュインが遅いことで資金繰りに課題を感じてる場合、手元の請求書の支払いサイトを延ばしたい場合などにお役立ていただけるサービスです。

「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」とは

本サービスは、期日の迫った請求書を、クレジットカードで支払うことで支払い期限を延長させるサービスです。

具体的には次のような流れで取引が行われます。

  1. 商品・サービスを購入する
  2. 取引先から請求書を受領する
  3. 事前に登録しているクレジットカードで、請求書の支払額を決済する
  4. 弊社が銀行振込にて請求書の支払いを行う
  5. クレジットカード会社の支払い設定日に、決済額が引き落とされる

事業者さまが取引先から受け取った請求書について、バンカブルが仲介することでクレジットカード払いを可能にします。

「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」のメリット

「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」は、大手クレジットカード会社の三菱UFJニコス株式会社と提携しています。実績の高いカード会社という点で信頼性も高く、事業者さまにも安心して活用していただけます。

一般的なBPSPサービスの手数料が3%〜4%程度のなか、業界最低水準の2.7%(税別)と低コストを実現、さらに申込から立替までは3営業日程度で完了(最短1日~2日)と、迅速に活用開始できます。資金の使途範囲に制限がないため、さまざまな取引で柔軟に活用可能です。

法人の事業者さまだけでなく、個人事業主さまにもご活用いただけます。

「Vankable 請求書カード払い」を詳しく見る

支払い.com

支払い.comは、株式会社クレディセゾンと株式会社UPSIDERが共同運営で提供しているサービスです。あらゆる銀行振込の支払いを、クレジットカードで決済できます。

申し込みにあたって審査はなく、提出書類や面談も不要です。最短60秒で登録完了し、最短で翌日振込が可能となっています。特に、喫緊の支払いに対応したい場合に有用な選択肢となるでしょう。

手数料は4%、カードのポイントやマイルが貯まるため、お得に活用できます。

※参考サイト:支払い.com

INVOY(インボイ)

INVOYはFINUX株式会社が運営するBPSPサービスです。「請求書発行から受取、支払いまで素早くかんたんにできるクラウド請求書プラットフォーム」として企業の経理業務をサポートしています。

審査はなく、保有しているクレジットカードを登録するだけで活用開始できます。スマートフォンからでも操作可能なため、出先での急な対応も可能です。個人事業主も活用可能で、支払いは最大60日先延ばしできます。

freee会計、Money Forward、弥生会計の会計ソフトとの連携も可能です。

※参考サイト:INVOY

BPSPを活用して資金繰りの改善を図ろう

BPSP(Bill Payment Service Provider)は、企業間取引における請求書の支払いプロセスを効率化するサービスです。支払いサイトを延長することで資金繰りの改善を図ることが可能です。また、個別対応が必要な支払いをクレジットカード払いに集約することで、業務効率化への寄与も期待できます。

活用には手数料がかかるほか利用限度額も設定されているため、自社の状況にBPSPの活用が適切かどうかは都度判断していくといいでしょう。

弊社でも「Vankable 請求書カード払い」を通じて、資金繰りの改善をサポートさせていただきます。クレジットカード払いを活用したい、資金調達に代わる手段を活用したい場合など、ファイナンス面に検討事項がある際はぜひ弊社にご相談ください。

「Vankable 請求書カード払い」を詳しく見る