【最新版】成長段階にあるスタートアップ企業が活用できる補助金一覧

2025.03.26

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【最新版】成長段階にあるスタートアップ企業が活用できる補助金一覧

スタートアップ企業がさらなる成長を目指すためには、補助金を活用するのも手段の1つです。この記事では、スタートアップ企業が活用できる最新版の補助金を紹介します。補助金の対象経費や補助額、申請期間なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

目次

【国による】スタートアップ企業が活用できる補助金 【経済産業省】ものづくり補助金 【中小企業庁】小規模事業者持続化補助金 【中小企業庁】IT導入補助金 【経済産業省】事業再構築補助金 【NEDO】ディープテック・スタートアップ支援事業 【自治体による】スタートアップ企業が活用できる補助金 【東京都】創業助成事業 【北海道札幌市】事務処理センター等立地促進補助金 【石川県加賀市】加賀市スタートアップ企業応援事業補助金 【長野県長野市】長野市スタートアップ支援補助金 スタートアップ企業が補助金を活用する際の注意点 申請から受け取りまでには一定の時間がかかる 必ず補助金を受け取れるとは限らない 要件や提出期限は補助金ごとに異なる 補助金以外の資金調達方法の併用も検討しよう スタートアップ企業における成長フェーズごとの資金調達手法 BNPL、請求書カード払い(BPSP)などの新たな資金繰り改善手段を活用する方法もある スタートアップ企業の資金調達には補助金も有効

 

スタートアップ企業が資金調達する際には、国や自治体が設ける補助金を活用する方法があります。補助金は、スタートアップ企業が新規プロジェクトや事業拡大のために必要な資金を提供するものです。自己資金が準備できない場合や投資家からの資金調達が難しい場合、補助金が有用な手段となるでしょう。

この記事では、資金調達として補助金の活用を検討しているスタートアップ企業や経営者に向けて、スタートアップ企業が活用できる最新版の補助金を紹介します。

【国による】スタートアップ企業が活用できる補助金

国はスタートアップ企業を対象に、多様な補助金を提供しています。これらの補助金は、基本的に国内の企業なら誰でも申請が可能で、予算規模が大きいため、提供される資金も多い傾向にあります。

ただし、申請要件や対象経費は補助金によって異なるため、それぞれ確認していきましょう。

【経済産業省】ものづくり補助金

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」は、製造業の技術開発や生産性向上を目的としています。この補助金は、新製品や技術の開発、生産ラインの改善、人材育成などに活用できるため、企業の競争力強化につなげられるでしょう。

補助金の上限額や補助率は、枠・類型によって異なります。省力化枠では最大8,000万円の支援があり、補助率は中小企業の場合半額です。「ものづくり補助金」の申請は通年で行われており、今後も継続する見込みです。

対象事業者は中小企業となり、以下の付加価値額・給与支給総額・事業場内最低賃金の要件を全て満たす事業者に限られます。

  • 付加価値額:年平均成長率+3%以上増加
  • 給与支給総額:年平均成長率+1.5%以上増加
  • 事業場内最低賃金:地域別最低賃金+30円以上

対象経費は次の通りです。

  • 機械装置・システム構築費
  • 運搬費
  • 技術導入費
  • 知的財産権等関連経費
  • 外注費
  • 専門家経費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費

【中小企業庁】小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金」は、新型コロナウイルス感染症や自然災害などで経営困難に陥った小規模事業者を支援する制度です。この補助金を活用することで、賃料や給与、ローンの支払いなどの経費を補填したり、新たな事業展開やオンライン化への転換を支援したりすることが可能です。

補助対象者は、「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」に基づき小規模事業者と定義される事業者になります。また、事業者の業種によって従業員数基準が設けられています。

補助金の上限額や補助率は申請枠によって異なり、通常枠では上限50万円で補助率は3分の2です。申請枠には賃金引上げ枠や創業枠などがあります。最近の第15回公募は2024年3月24日に終了し、次回の第16回事業実施期間は2024年8月頃を予定しています。

対象経費は次の通りです。

  • 機械装置等費
  • 広報費
  • ウェブサイト関連費
  • 展示会等出展費
  • 旅費
  • 開発費
  • 資料購入費
  • 借料
  • 設備処分費
  • 委託・外注費

【中小企業庁】IT導入補助金

IT導入補助金」は、中小企業や小規模事業者がIT技術を活用して業務効率や競争力を向上させるために政府や地方自治体から提供される支援制度です。この補助金を活用することで、情報システムの導入費用の一部を補填したり、IT専門家からのアドバイスや支援を受けることができます。

多くの企業は、人手不足を解消するためにセルフオーダーシステムや管理システムの導入にこの補助金を活用しています。

補助の対象となるのは、業種ごとの従業員数基準によって定められた中小企業及び小規模事業者です。補助金の上限額は申請枠によって異なり、通常枠では、1プロセス以上を導入する場合、補助金は5万円から150万円未満で、補助率は半分以内です。

申請枠にはインボイス枠やセキュリティ対策推進枠もあり、具体的な公募期間や詳細は中小企業庁の公式サイトで確認が必要です。現在の6次公募の締切は2024年8月23日で、さらなる公募も予定されています。

対象経費は次の通りです。

  • ソフトウェアの購入費
  • クラウド利用費
  • ハードウェアの購入費
  • 導入コンサルティング費

【経済産業省】事業再構築補助金

事業再構築補助金」は、経済産業省と地方自治体が新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業を支援するために設けられました。この補助金を活用することで、企業は事業の維持や再建に必要な資金援助を受けることが可能です。

対象事業者は申請枠によって異なり、主な枠には「成長分野進出枠」「コロナ回復加速化枠」「サプライチェーン強靱化枠」などがあります。なお、申請の際には次の要件を満たしている必要があります。

  • 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
  • 事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること
  • 付加価値額を向上させること

補助額は枠によって異なり、通常類型では100万円から6,000万円で、補助率は1/3から1/2です。直近の公募は2024年7月26日に終了しましたが、具体的な終了時期は未定で、今後も継続される見込みです。

対象経費は次の通りです。

  • 建物費
  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • クラウドサービス利用費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費
  • 広告宣伝・販売促進費
  • 研修費
  • 廃業費

【NEDO】ディープテック・スタートアップ支援事業

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が管理・運営する「ディープテック・スタートアップ支援事業」は、ディープテック分野での研究開発や事業化を目指すスタートアップに特化した助成金です。

この支援事業は、STSフェーズ(実用化研究開発前期)、PCAフェーズ(実用化研究開発後期)、DMPフェーズ(量産化実証)の3つの段階に分けられており、それぞれのフェーズで支援内容が異なります。

対象となるのは未上場の中小企業で、助成額は次の通りです。

  • STSフェーズ:助成額3億円以内または5億円以内
  • PCAフェーズ:5億円以内または10億円以内
  • DMPフェーズ:25億円以内

この補助金の公募は年に4回程度行われ、最近の公募は2024年7月24日に終了しましたが、今後も継続される見込みです。

対象経費は、事業を進めるために必要な次の費用に限られます。

  • 機械装置費等
  • 労務費
  • 委託・共同研究費
  • その他経費

【自治体による】スタートアップ企業が活用できる補助金

自治体の中には、スタートアップ企業向けに補助金を用意しているところもあります。国の補助金に比べて手続きが比較的簡単ですが、地域経済の活性化や住民サービス向上を目的としているため、対象範囲には限りがあります。

また、自治体補助金の予算規模は小さく、提供される資金も多くはありません。多くの自治体では、8月上旬までに申請受付を終了しますが、本記事では8月下旬以降も申請を受け付けている補助金を紹介します。

【東京都】創業助成事業

東京都が提供する「創業助成事業」は、都内で創業を予定している個人や創業から5年未満の中小企業者を支援するための制度です。賃借料や広告費、従業員の人件費、市場調査・分析費など、創業初期に必要な経費の一部をカバーします。

対象者は一定の要件を満たす必要があり、助成限度額は400万円、助成率は最大で3分の2です。申請期間は2024年9月25日から10月4日までとなっています。

対象経費は次の3つに絞られます。

  • 事業費
  • 人件費
  • 委託費

【北海道札幌市】事務処理センター等立地促進補助金

札幌市は、事務処理センターや特例子会社の新設及び増設、または本社機能の移転を行う企業を対象に「事務処理センター等立地促進補助金」を提供しています。この補助金は、企業が札幌市内に移転または新設する際の年間賃料の3分の1を補助し、その上限額は2年間で3,500万円です。

対象経費は次の2つです。

  • 賃料
  • データセンター利用料

【石川県加賀市】加賀市スタートアップ企業応援事業補助金

加賀市は「加賀市スタートアップ企業応援事業補助金」を設けています。この補助金は地域経済の活性化とイノベーション促進を目的としています。対象となるのは加賀市のインキュベーションルームに入居し、市内での事業活動を継続する企業です。

次の要件を満たす必要があります。

  • 事業内容が加賀市の活性化に資すること
  • 退去後、引き続き市内に住所又は法人登記を有すること
  • 市税等の滞納がないこと

補助金は対象経費の4分の3までをカバーし、申請は2024年4月1日から開始されています。対象者は市税等の滞納がないことが条件です。

対象経費は2つに限定されています。

  • 新商品・サービス創出のための研究・開発に係る経費
  • 法人登記など間接的な企業活動に係る経費

【長野県長野市】長野市スタートアップ支援補助金

長野市では、新事業の創出と地域経済の活性化を目的として、「長野市スタートアップ支援補助金」を提供しています。

この制度は、開業後5年未満の個人や法人、またはこれから新事業を始める者が対象で、長野市内に登記または営業拠点を有し、ビジネスコンテストへの出場経験がある者に限られます。市税の滞納がないことも必要条件です。

補助金はオフィス賃貸借等の事業を対象に、最大500万円/年が支給されます。補助率は1年目が最大100%、2年目は最大50%です。

対象経費は次の通りです。

  • オフィス賃貸借等事業:オフィスの家賃、コワーキングスペースの利用料、バーチャルオフィスの利用料
  • 外部人材活用促進事業:外部人材に係る給与、報酬もしくは謝礼金、業務委託費
  • 調査研究等事業:試作品の製造に係る経費、市場調査に係る経費、WEBサイト作成に係る委託費、会社の設立の登記に係る登録免許税及び定款の認証に係る手数料に相当する費用、司法書士や弁理士、税理士等の士業への相談費用や依頼費用

スタートアップ企業が補助金を活用する際の注意点

補助金を活用する際は、支給が後払い制であることを理解しておく必要があります。また、まとまった資金が必要になるため、事前に資金計画をしっかりと練っておきましょう。補助金を活用する際の注意点を解説します。

申請から受け取りまでには一定の時間がかかる

スタートアップが補助金を活用する際、申請後すぐに補助金が受け取れるわけではありません。申請した後、審査が実施され、採択された事業者のみが対象事業を開始できます。

事業実施後は、報告書やその他必要書類を提出する必要があります。これらの書類を提出した後、一定の期間が経過すると補助金が支給されます。

必ず補助金を受け取れるとは限らない

補助金を受け取るためには、単に要件を満たしているだけでは不十分で、事業計画が採択される必要があります。

採択率を高めるために、事業計画書には明確な目標と具体的な数値を設定することが重要となります。事業計画の実現可能性や予想されるリスクに対する対策も明確にしておきましょう。

また、事業が社会や地域にどのようなプラスの影響をもたらすかも評価のポイントとなります。さらに、採択後も、提出する書類に不備があると補助金の支給対象外となることがありますので、事務処理にも注意が必要です。

要件や提出期限は補助金ごとに異なる

スタートアップが補助金を活用する際、重要なのは各補助金の要件と提出期限の確認です。補助金によって求められる条件や書類提出の期限は異なるため、それぞれの詳細を事前にしっかり理解し、計画的に準備することが必須です。

期限内に必要書類を提出しても、要件を満たしていない場合は審査の対象外となるため、申請書類に不備がないかを入念にチェックする必要があります。補助金の利用は、正確な事務処理が求められるため、申請の準備段階から慎重に行いましょう。

補助金以外の資金調達方法の併用も検討しよう

スタートアップ企業は、補助金以外にも資金調達する方法があります。ほかの資金調達方法や資金調達に代わる手段を併用することで、より事業の財政が安定し、成長につなげていけるようになるでしょう。資金調達の目的や事業フェーズに適した手法を選択することが重要となります。

スタートアップ企業における成長フェーズごとの資金調達手法

ここでは、成長フェーズごとに適した資金調達手法を紹介します。

事業フェーズ 資金調達手法の例
シード期
  • エンジェル投資家
  • 日本政策金融公庫
  • ベンチャーキャピタル
  • RBF
アーリー期
  • エンジェル投資家
  • 日本政策金融公庫
  • ベンチャーキャピタル
  • ベンチャーデット
  • RBF
  • クラウドファンディング
  • ファクタリング
  • BNPL
  • 請求書カード払い(BPSP)
ミドル期
  • 民間金融機関
  • 日本政策金融公庫
  • ベンチャーキャピタル
  • ベンチャーデット
  • ファクタリング
  • BNPL
  • 請求書カード払い(BPSP)
レイター期
  • 民間金融機関
  • ベンチャーキャピタル
  • ベンチャーデット
  • ファクタリング
  • BNPL
  • 請求書カード払い(BPSP)

BNPL、請求書カード払い(BPSP)などの新たな資金繰り改善手段を活用する方法もある

スタートアップ企業が資金調達を行う際、従来の方法だけでなく、「BNPL(Buy Now, Pay Later)」(※1)や「請求書カード払い(BPSP)」といった新たな手段を活用することが可能です。

BNPLは購入後に支払う後払い式の決済手段で、請求書カード払い(BPSP)は請求書の支払いを代行するサービスです。キャッシュフローの柔軟性を高めることができ、特に資金繰りに課題を抱えるスタートアップにとって大きなメリットとなります。

例えば、弊社のマーケティング費や広告費の分割後払いサービス「AD YELL(アドエール)」(※2)を活用すると、広告費を分割して後払いでき、キャッシュフローの安定につながります。また、弊社の「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」では、取引先から受け取った請求書を、クレジットカードで支払うことが可能です。支払い期限を延長できるため、レスキューファイナンスとして有効です。

BNPLや請求書カード払い(BPSP)などを活用することで、事業の成長を維持しながら効率的な資金管理が可能になります。

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スタートアップ企業の資金調達には補助金も有効

スタートアップ企業は、資金調達の選択肢として国や自治体が提供する補助金を活用できます。要件や申請期間が補助金ごとに異なるため、必ず各補助金の公式サイトで最新情報を確認しましょう。

また、補助金以外にもベンチャーキャピタルやファクタリング、BNPLや請求書カード払い(BPSP)などの選択肢もあります。弊社でも、マーケティング費や広告費の分割後払いサービス「AD YELL」や「請求書をクレジットカード払いにできる、Vankable 請求書カード払い」にて経営の安定化をサポートさせていただきます。事業のさらなる成長を実現するためにも、補助金やその他の資金調達方法を適切に活用していきましょう。

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