仕入先の選び方や仕入れのポイントを解説!仕入れサイトのメリットやデメリットも紹介
EC事業で、商品の仕入れは非常に重要なポイントといえます。しかし、どこから仕入れをすればよいのか、コスト削減しつつ品質の高い商品はどこで仕入れできるのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、仕入れ方法や成功させるポイントを解説します。また、多くの事業者が活用している仕入れサイトのメリットとデメリットも紹介します。仕入先の選び方や成功させるためのポイントも詳しく解説します。ぜひ事業にお役立てください。
目次
仕入れとは
仕入れ方法の種類と特徴
■仕入れサイトを活用する
■問屋や卸業者から仕入れる
■展示会や見本市に参加して仕入れる
■メーカーや作家などに直接交渉する
■海外のネット仕入れサービスを活用する
■OEMで自社の商材をつくる
■ドロップシッピングで無在庫販売をする
仕入れサイトを活用するメリット
■人脈や実績がなくても仕入れできる
■時間や場所を問わず仕入れできる
■小ロットに対応しているところが多い
仕入れサイトを活用する際の注意点
■競合他社との違いを打ち出すことが難しい
■海外の仕入れサイトはコストや納期に注意
仕入先の選び方
■事業に合った商品を扱っている仕入先を選ぶ
■仕入先は複数確保する
■最小ロット数が少ない仕入先を選ぶ
事業の成功につなげる仕入れのポイント
■利益率を考慮する
■定期的に原価率や仕入コストを見直す
■適切な在庫量と在庫内容を維持する
仕入れの適正化でビジネスの基盤をつくる
仕入れとは
ビジネスにおける仕入れとは、製造や販売をするために商品や原材料を買い入れることを指します。仕入れの主な目的は、商品や原材料に利益を上乗せして販売することです。
例えば、1枚500円で仕入れた洋服を店頭で1,000円で販売する場合、500円の利益を得られます。市場ニーズや競合他社の価格、商品の性質などを考慮し、原価の数倍の価格を設定することが一般的です。
仕入れは、商品の価格設定や販売活動だけでなく、在庫管理、会計処理、費用計上といった一連の流れも含めます。在庫管理は、過剰在庫や在庫不足を避け、適切な在庫量を把握するために重要となります。また、会計処理を正確に行うことで、財務状況を分析でき、コスト削減や利益率の向上にもつなげられるでしょう。
仕入れ方法の種類と特徴
代表的な仕入れ方法を7つ紹介します。EC事業を展開する場合、欠かせないのが仕入先を決めることです。
商品の仕入れには、仕入れサイトや問屋、展示会などさまざまな方法があります。それぞれの方法で特徴が異なるため、比較しながら自社に適した仕入れ方法を選択しましょう。
■仕入れサイトを活用する
卸価格で商品を購入できる仕入れサイトを活用することで、仕入先に人脈がなくてもインターネット上で簡単に仕入先を見つけられます。仕入れサイトは、問屋と小売事業者をつなぐインターネット上のプラットフォームで、複数の問屋を取りまとめて小売業者につなぐ役割を持ちます。
利用には会員登録が必要で、非会員には卸価格を公開しないことが一般的です。国内最大規模の「NETSEA」、取り扱い点数が約160万点の「SUPER DELIVERY」、ネットショップ専門の「TopSeller」など、多くの仕入れサイトがあります。
■問屋や卸業者から仕入れる
問屋街に出向くか、卸業者が運営する問屋サイトを活用して仕入れる方法もあります。東京のかっぱ橋道具街や大阪の船場センタービルなどの問屋街が有名です。問屋サイトは法人や個人事業主を対象にしており、利用するには事前の会員登録が必要になります。
また、実店舗やネットショップの運営が入会条件となる傾向があります。「Net de 卸」や「M-マッチングシステム」などが代表的な問屋サイトです。
■展示会や見本市に参加して仕入れる
展示会や見本市に参加することで、販売したい商品を直接見つけられます。また、商品の展示だけでなく、その場で受発注が可能な場合もあります。展示会や見本市は、事前に来場登録が必要な場合や招待制の場合もあるため、参加を希望する際は事前に確認しておきましょう。
例えば、「BtoBプラットフォーム 業界ch」では、卸業界の展示会情報を検索できます。展示会や見本市などのイベントは、最新のトレンドを把握し、競争力のある商品を仕入れる絶好の機会です。
■メーカーや作家などに直接交渉する
日常で使用していて気になる商品や目に止まった商品があった場合、メーカーや作家に直接問い合わせて仕入れる方法もあります。また、インフルエンサーやアーティストに交渉してオフィシャルグッズ制作を請け負うことも可能です。
作家がフリーで活動している場合は直接交渉し、事務所に所属している場合は事務所と交渉します。その際、自社の生産能力や販売能力をアピールし、信頼を得ることが重要となります。交渉が成立すれば、競合の少ない商品や希少品を販売することで、大きなメリットを得られる可能性があります。
このように、メーカーや作家と直接交渉することで、ユニークで魅力的な商品を取り扱うことができます。
■海外のネット仕入れサービスを活用する
海外のネット仕入れサービスを活用することで、日本国内であまり見かけない独特な商品を仕入れて販売するチャンスが広がります。代表的なサービスには、「eBay」や「AliExpress」があります。
海外の仕入れサイトは多言語で運営されており、商品情報が英語や中国語で記載されることが多い傾向ですが、Google翻訳のような翻訳サービスを活用すれば対応可能です。また、一部の大手サービスでは日本語ページも提供されています。
ただし、海外からの仕入れは事務手続きや輸入関税など、国内仕入れにはないコストが発生すること、さらに発送遅延などのトラブルが発生する可能性もあるため、注意しましょう。
■OEMで自社の商材をつくる
OEM(Original Equipment Manufacturing)は、自社ブランドのオリジナル商品を製造する際に、他社の製造設備とノウハウを活用する方法です。大規模な設備投資を行わずに、少ない資本で商品を製造できるようになります。
OEMはアパレル、化粧品、家電、食品、自動車業界など広範囲にわたって活用されています。具体的には、「完成品または半完成品を相手先のブランド名で製造する」タイプと「自社ブランド製品の製造をメーカーに委託する」タイプがあり、企画から製造までをサポートしてくれる業者を選びましょう。
■ドロップシッピングで無在庫販売をする
ドロップシッピングは厳密には仕入れではありませんが、仕入れコストを削減する方法として有効といえます。ドロップシッピングとは、注文が入った際に、在庫を抱える卸売業者やメーカーから消費者へ直接商品を発送していただく業態です。
具体的には、購入者から注文が入ると、その商品を在庫として保有している会社に発注し、発送もその会社が行います。在庫リスクがなく、発送コストもかからないため、効率的に販売できるようになります。ドロップシッピングを活用することで、初期投資をおさえながら販売活動を行えるでしょう。
ドロップシッピングについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も読んでみてください。
関連記事:
ドロップシッピングとは?メリット・デメリット、具体的な始め方までわかりやすく解説
仕入れサイトを活用するメリット
数多くある仕入れ方法のなかでも、多くの企業が活用しているのが仕入れサイトから仕入れる方法です。ここからは、仕入れサイトのメリットを紹介します。仕入れサイトにはどのようなメリットがあるかをご覧になった上で、活用するか否かを検討ください。
■人脈や実績がなくても仕入れできる
仕入れサイトは、メーカーや卸売業者と直接のつながりがなくても商品を仕入れられる便利なプラットフォームです。オンライン上で取引を完結できるため、相手先に出向く手間や時間を省くことができます。
また、1つの仕入れサイトで複数の仕入先を見付けることもできるでしょう。取引の幅を広げやすく、新たなビジネスチャンスも手にできます。
■時間や場所を問わず仕入れできる
仕入れサイトを活用すると、インターネットにアクセスできる環境があれば、どこにいてもいつでも仕入れ作業が可能になります。例えば、地方に住んでいても、都心の会社と同等の仕入れ取引ができます。卸売業者との取引で相手先に出向く時間と手間を節約でき、仕入れにかかる労力や時間を大幅に削減できるのが大きなメリットです。
つまり、効率的な事業運営が可能となり、経営資源を他の重要な業務に集中させられます。
■小ロットに対応しているところが多い
仕入れサイトを活用する際は、ロット数を確認しましょう。多くのメーカーや卸売業者は、大量仕入れにしか対応していない場合がほとんどですが、仕入れサイトでは1点からでも仕入れができるところが多く、小規模な事業にも適しています。在庫リスクおさえながら、必要な商品を柔軟に仕入れられます。
特にスタートアップや小規模事業者にとって、初期投資をおさえながらビジネスを始めるためには、小ロット対応の仕入れサイトは非常に有用です。また、仕入れサイトを活用することで、時間や場所に縛られずに仕入れ作業を行うことができ、効率的な事業運営が可能となります。
仕入れサイトを活用する際の注意点
多くのメリットがあって便利な仕入れサイトですが、デメリットもあります。デメリットも知ったうえで、活用するか否かを検討しましょう。
■競合他社との違いを打ち出すことが難しい
仕入れサイトは、時間や場所に囚われずにアクセスでき、比較的簡単に商品を仕入れられるため、多くの事業者が活用しています。そのため、同じ商品を扱う競合が多く、価格競争に巻き込まれる可能性も少なくありません。
他社に顧客を取られずに利益を上げるためには、適切な価格設定やサービスの向上が必要になります。例えば、ECサイトの使いやすさを改善し、サポート体制を整えることで、価格競争を避けつつ競合と違いをつけることができるでしょう。競争が激しい市場で成功するためには、独自の価値を提供する戦略が重要といえます。
■海外の仕入れサイトはコストや納期に注意
海外の仕入れサイトを活用する場合、コストや納期、商品の品質に注意しましょう。商品自体の価格が安くても、関税や輸送費、保険料、消費税などが加わり、最終的に割高になることがあります。コストを考慮したうえで仕入れを行うことが重要となります。
また、海外からの仕入れでは納期が長くなることが多いため、余裕を持った日程を組まなければなりません。さらに、商品によっては検疫や許可、承認が求められる場合もあり、例えば、食品や植物は検疫が必要で、医薬品や化粧品は輸入数量に制限が設けられることがあります。
輸出禁止や規制品目については、関税のサイトで確認することができます。これらの点に注意しながら、海外からの仕入れを計画しましょう。
※参考:輸出入禁止・規制品目|税関
仕入先の選び方
ここからは、仕入先の選び方を紹介します。さまざまな仕入れ方法があるのを知ったうえで、自社に適した仕入先を選びましょう。
■事業に合った商品を扱っている仕入先を選ぶ
扱う商品や事業の内容によって、適した仕入れ方法や仕入先は異なります。自社の事業内容、コンセプト、イメージを考慮して、合う商品を取り扱っている仕入先を探しましょう。
特に、自社のコンセプトに合った商品を扱っているか、リピートしてもらえる商品か、競合の少ない商品かをチェックすることが重要となります。顧客にとって魅力的な商品を提供し、他社との差異をつくれるようにしましょう。
■仕入先は複数確保する
事業を展開する際には、信頼して継続的に取引できる仕入先を早期に確保することも必要といえます。商品供給の安定性を考慮すると、複数の仕入先を持っておくのが望ましいです。複数の仕入先を確保することで、仕入先のトラブルや供給不足に対応でき、事業の安定運営が可能になります。
また、競争力のある価格で商品を仕入れることができる場合もあります。信頼できる仕入先を見付けるためには、ネットでの検索や業界の見本市、展示会などを活用することが有効です。
■最小ロット数が少ない仕入先を選ぶ
仕入れを行う際には、最小ロット数を確認しましょう。初めて扱う商品や売れ行きの予測が難しい商品は、少ないロット数で仕入れて販売し、売れ行きに応じて仕入量を増やすのが安全です。
最小ロット数が大きいと、その分、仕入費や在庫スペースが必要になります。特に小規模な事業や、事業開始して間もない場合は、最小ロット数の少ないところを選ぶといいでしょう。
小ロットのメリットは発注合計金額が定額になることですが、1個あたりの製造コストが高くなる傾向があります。そのため、発注合計金額だけでなく、1個あたりの仕入額も計算して検討することが重要となります。仕入れの合計金額と1個あたりのコストを比較して、バランスのいい仕入れを行いましょう。
事業の成功につなげる仕入れのポイント
最後に、仕入れを成功させるためにおさえておきたいポイントを紹介します。商品を販売して利益を上げるためには、仕入れを適正に行いましょう。
■利益率を考慮する
仕入れをする際には、「売れることだけに重点を置く」というよりも、「売れたらどのくらいの利益が望めるか」を基本的な考え方とするとよいでしょう。大量に売れても利益率が低ければ、事業の利益にはなりません。商品を仕入れる際は、原価と想定販売価格から利益率を算出して、利益が望める商品を仕入れることが必要です。
利益率をもとに計算して販売価格を算出する計算式は、「販売価格=原価(仕入価格)÷(1−利益率)」です。例えば、5,000円で仕入れた商品を20%の利益率で販売したい場合、「5,000÷(1−0.2)」で、販売価格は6,250円となります。この販売価格で実際に売れるかを考え、最終的に仕入れるかどうかを決めましょう。
■定期的に原価率や仕入コストを見直す
利益率を高めるためには、原価をおさえることが1つのポイントです。原価は物流取引価格や運賃の上昇などに影響されるため、今の仕入方法が今後も適切だとは限りません。仕入れにかかるコストが適正かどうか、定期的に見直すことで利益の最大化を目指せます。
例えば、仕入れ価格が変わったときや設備や光熱費など原価に影響を与える経費が変わったときが見直しのタイミングです。定期的にコストを確認し、効果的な仕入れ戦略を継続していきましょう。
■適切な在庫量と在庫内容を維持する
売上と仕入れのバランスを見極め、適切な商品を必要なだけ、適切なタイミングで仕入れることもポイントの1つです。バランスが悪くなると、事業運営に大きく影響します。
在庫が多すぎると利益が上がらず、少なすぎると売り切れが発生し、顧客離れを誘発します。過去の売れ行きやトレンドを分析し、売れそうな商品を仕入れることが基本です。
在庫量は常にチェックし、小規模な事業ならExcelやGoogleスプレッドシートで管理できます。規模が大きくなった場合は在庫管理ツールの導入を検討しましょう。仕入費が不足する場合は、仕入費の4分割・後払いサービス「STOCK YELL(ストックエール)」を活用することで、販売機会を逃さずに済みます。後払いサービスを有効活用し、売れるタイミングを逃さないようにしましょう。
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仕入れの適正化でビジネスの基盤をつくる
商品を販売して利益を上げるためには、仕入れの成功が不可欠です。さまざまな仕入れ方法があり、それぞれ特徴が異なります。現在、多くの企業が活用している仕入れサイトにはメリットとデメリットがあります。自社の事業内容や規模に合わせて、適した仕入先を選定しましょう。
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