単品通販の特徴やメリットとデメリットを解説!成功事例も紹介
単品通販は、販売する商品やブランドを絞って販売するビジネスモデルのことです。単品通販を行う企業は増えていますが、単品通販は扱う商品が少ないため、売上を上げられるのか不安に思われるかもしれません。
単品商品ならではのメリットを活かして事業を展開すれば、総合通販よりも売上をアップできるケースもあります。また、商品によっては、単品通販が向いているケースもあるでしょう。
本記事では、単品通販の特徴や総合通販との違い、メリットやデメリットを解説します。さらに、単品通販を成功させるためのポイントや成功事例も紹介します。単品通販を検討中の企業や担当者の方はぜひ参考にしてください。
目次
単品通販とは
■単品通販の特徴
■単品通販と総合通販の違い
単品通販のメリット
■少ない初期投資で始められる
■商品をアピールしやすい
■収益予想を立てやすい
単品通販のデメリット
■売れなかったときのリスクが高い
■新規顧客を集客するまでの難易度が高い
単品通販を成功させるポイント
■マーケティング設計を構築する
■単品通販に向いたビジネスモデルを採用する
■単品通販の成功例がある商品カテゴリを選ぶ
■ブランド独自の世界観を確立する
■初回購入からリピートや定期購入につなげる
単品通販の成功事例
■株式会社ベンナーズ
■株式会社Oxxx
■ラヴィストトーキョー株式会社
■株式会社メニコン
■オイシックス・ラ・大地株式会社
戦略的な単品通販で競争力を高める
単品通販とは
まず、単品通販の特徴と総合通販との違いを解説します。単品通販の特徴を知ったうえで、自社の事業に合っているかを検討していきましょう。
■単品通販の特徴
単品通販は、ECサイトにおける販売戦略で、商品の種類を限定するビジネスモデルです。このモデルは、主に2つの形態に分類されます。1つは「シングルプロダクト」方式で、1つの商品のみを専門に扱います。もう1つは、特定のブランドやメーカーの製品ライン全体を扱う方式です。
例えば、ある化粧品ブランドの全てのアイテム(化粧水、乳液、洗顔フォームなど)を専門に販売するオンラインストアや、特定のファッションブランドの衣類と靴だけを扱うショップが該当します。ターゲット市場が明確であるため、マーケティング戦略をより効果的に展開することが可能です。
■単品通販と総合通販の違い
単品通販は、特定の商品群やブランドに特化し、限られた範囲の商品を扱います。一方、総合通販は、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングのようなプラットフォームで多種多様な商品を提供するモデルです。総合通販は、さまざまなブランドやジャンルの商品を扱うことで、幅広いユーザー層にアピールし、多様な消費者ニーズに応えることが可能となります。
単品通販のメリット
ここでは、単品通販のメリットを解説します。
■少ない初期投資で始められる
単品通販は、扱う商品の種類が限定されるため、事業を開始する際の初期投資が比較的少なくて済みます。限られた商品を扱うことから、梱包資材を統一でき、余分な発送コストを削減できます。
また、商品の管理や配送作業に関わるコストも低くおさえられるため、新たにビジネスを始める起業家にとって参入障壁が低いことが1つ目のメリットです。小規模でスタートしても、効率的に運営でき、ビジネスの拡大に向けて柔軟に対応できます。
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■商品をアピールしやすい
単品通販のメリットの2つ目は、自社製品や特定の取引先からのみ仕入れるため、その商品のセールスポイントや特徴を詳しく理解し、顧客に対して効果的にアピールできる点です。
また、商品ラインナップが限定されているため、ターゲットとなる顧客層も明確になり、より効果的なマーケティング戦略を展開することも可能でしょう。顧客からの質問に対しても具体的かつ迅速に回答することができるため、顧客満足度の向上に直結します。商品への専門性とターゲットを絞ったマーケティングが、単品通販を成功させるポイントとなります。
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■収益予想を立てやすい
単品通販はリピート注文やサブスクリプションモデルによって利益を生み出しやすいビジネスモデルです。そのため、リピーターやサブスクリプションの会員数に基づいて収益予想を立てることが容易になります。
特に、アーティストやインフルエンサーの公式グッズや自社独自の商品を扱う場合、価格競争に巻き込まれにくいため、安定した収益と利益を見込めます。単品通販のビジネスモデルは、財務計画を立てやすく、事業の継続性を高められる点も特徴の1つです。
単品通販のデメリット
次に、メリットに続いて、単品通販のデメリットも知っておきましょう。
■売れなかったときのリスクが高い
単品通販の場合、扱う商品の種類が少ないため、市場で受け入れられなかった場合のリスクは高くなります。商品が売れなければ、サイト全体の売上にも大きな影響を与えかねません。また、顧客一人ひとりへの依存度が高いため、顧客が離れた場合にも売上低下に直結します。
ただし、一度新規顧客を集客できれば、中長期的には安定した収益を見込むことができます。
■新規顧客を集客するまでの難易度が高い
単品通販ではオリジナル商品やニッチな商品を取り扱うため、大手ブランド商品と比較して初期の認知度が低いことが一般的です。新規顧客を引き付けるためには、集客活動に多くの時間とコストが必要となります。新規顧客が定着した後も、売上が安定するまでの期間、資金繰りや運営スケジュールの管理が重要になります。
一般的に新規顧客の集客が難しい場合、収入が得られない期間が長くなるリスクを抱えるため、広告費の4分割・後払いサービス「AD YELL(アドエール)」(※1)を活用することで、広告投資の負担を軽減する戦略も考慮しましょう。
また、ターゲットとなる顧客層が限定的な場合が多いため、リピーターへと育成することも重要と言えます。
有名人やブランドの公式グッズのように、すでに一定の知名度がある商品を扱う場合は、この限りではありません。初期段階から見込み客が存在するため、スムーズに売上を生み出せます。
※1 「AD YELL」は、バンカブルが提供しているWeb広告の出稿費用を4回に分割・後払いが可能となるサービスです。請求書払いと法人カード払いに対応しており、オンラインによるお申し込みから最短3営業日でご利用が可能になります。原則として、担保や連帯保証人のご用意が不要(*)で、融資ではなく立替でサポートするため、今後の事業者さまの借入枠にも影響を及ぼしません。これらのサービスを通じて、事業者さまのキャッシュサイクルを改善し、運転資金を圧迫しない形で事業成長を支援いたします。
*「担保・連帯保証不要」は原則であり、場合によってはその限りではありません。ご了承くださいませ。
単品通販を成功させるポイント
ここからは、単品通販を成功させるために知っておきたい重要なポイントを解説します。
■マーケティング設計を構築する
ターゲット層へ的確にアプローチするために、誰に何をどのように届けていくのか、データに基づいたマーケティング設計を行うことが重要です。
まずは、ターゲット層を明確にし、ニーズを理解しましょう。それに基づいて商品やサービスをカスタマイズすることで、顧客満足度を高められます。具体的には、綿密な市場調査を行い、ターゲット層の好みや購買行動、およびライフスタイルを把握します。
また、ソーシャルメディアやオンライン広告、メールなどを活用したマルチチャネル戦略も効果的です。チャネル間で一貫したブランドメッセージを保ちつつ、各チャネルの特性に合わせたコミュニケーション方法を検討します。
マーケティング設計の構築は、効果的に市場に商品やサービスを届け、最終的には売上やブランド認知の向上を図るために欠かせないステップです。
■単品通販に向いたビジネスモデルを採用する
単品通販では顧客が限られているため、持続的な関係を築き、収益の安定性を高められるビジネスモデルが必要になります。
例えば、サブスクリプションは、顧客が定期的に料金を支払うことで、毎月または特定の頻度で商品やサービスを受け取れるビジネスモデルです。特定の食品を毎月送るサービスや、定額でコンタクトレンズを定期的に配送するサービスなどがあります。一度顧客がサブスクリプションに登録すると、継続的な収益が見込め、安定したビジネス運営が可能になります。
加えて、キャッシュフローの管理が容易になるため、事業の持続可能性も向上するでしょう。
■単品通販の成功例がある商品カテゴリを選ぶ
単品通販を成功させるためには、販売する商品カテゴリがポイントとなります。単品通販で成功例が多い商品カテゴリを選びましょう。特に消耗品は、単品通販で取り扱うのに適した商品カテゴリです。日常的に使用されるうちに消費されるため、顧客が繰り返し購入する機会が多くなります。
例えば、化粧品や健康食品などがあり、使用後に再購入の需要が自然と生まれるため、顧客はリピーターになっていただきやすいという側面があります。
■ブランド独自の世界観を確立する
単品通販で成功するためには、市場での存在感を高める強力なブランディングが欠かせません。商品そのものの質も重要ですが、消費者に存在と価値を知ってもらうことが、売上を上げるためのポイントとなります。
独自のブランド世界観を確立できれば、消費者の購入意欲を引き出せ、長期的な顧客関係を構築することが可能になります。
商品の差異化を図る
商品の差異化は、価格競争に巻き込まれずに済む重要な戦略です。例えば、健康食品市場であれば「機能性表示食品」と特徴を前面に出すこと、化粧品であれば「医薬部外品」の特性を強調することが有効な手段の1つです。
また、業界の第一人者や影響力のあるインフルエンサーによる紹介は、商品の認知強化につながる一定の効果を期待できますが、誰を選定するかが重要となります。なお、インフルエンサーを選ぶ際は次の点に注意しましょう。
- 投稿カテゴリーやコンテンツが自社商品と合致している
- フォロワー層と自社商品のターゲット層が一致している
- フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率が高い
- 投稿の質が高く、頻度が適切
自社のブランドイメージと親和性があり、PR戦略に理解のあるインフルエンサーを選定することで、競合他社とは異なる角度から商品をアピールできます。
LPで商品の魅力を伝える
効果的なランディングページ(LP)も欠かせません。LPは、商品の特徴をわかりやすくかつ魅力的に伝えられるように設計しましょう。インパクトのあるデザインや詳細な商品説明を含めることで、訪問者の興味を引き、購入に結びつける可能性が高まります。
また、LPは縦長のレイアウトを特徴とし、ページ間の移動を減らすことで、ユーザーによるページの離脱を防ぐような工夫が必要とされています。
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■初回購入からリピートや定期購入につなげる
初回購入のハードルを下げて、リピート購入や定期購入をしていただける顧客を増やしていきましょう。単品通販で安定した利益を生み出すためには、リピート購入や定期購入が欠かせないからです。
初回購入のハードルを下げる手法として、代表的な2つの方法を紹介します。
お試し価格や特典などで初回購入のハードルを下げる
新規顧客を集客するには、初回購入の際の心理的ハードルを下げましょう。例えば、製品をお試し価格で提供する、または初回購入に限り特典を付けるなどの方法があります。
それによって、見込み客や潜在顧客が自社の商品やサービスを試しやすくなり、商品への興味を引き出せるでしょう。一度製品を使用してみた顧客はリピート購入や定期購入へと移行しやすくなります。
ツーステップマーケティングで定期購入へつなげる
ツーステップマーケティングとは、顧客に初めにお試し購入を促し、その後、定期購入やリピート購入、サブスクリプションへと誘導する戦略のことです。最初に「お試し」を踏まえ、次に「購入、契約」のステップを踏むことから、この呼称とされています。
新規顧客にいきなり定期購入を勧めるのはハードルが高いでしょう。そのため、ツーステップマーケティングにより、無料モニターや初回特典がきっかけで顧客が商品の価値を実感でき、継続的な購入を検討することが期待できます。
単品通販の成功事例
単品通販の成功事例を紹介します。自社が目指す業態やコンセプトに近い成功事例があるか、ぜひ参考にしてください。
■株式会社ベンナーズ
株式会社ベンナーズは、市場に出回らない未利用魚を活用した冷凍ミールパックのサブスクリプションサービス「Fishlle!(フィシュル)」を提供しています。味には問題ないが、見た目やサイズの理由で市場価値が低い魚を活用することで、持続可能な食品消費を推進するサービスです。
フィシュルの認知度向上のため、株式会社ベンナーズはデジタルマーケティングとメディア戦略を積極的に実施し、広告宣伝費への投資のため、広告費の4分割・後払いサービス「AD YELL」を活用されています。メディア戦略によりフィシュルは広範囲にわたる顧客層に迅速に浸透、継続的な成長を遂げていらっしゃいます。
前年同月比10倍の売上高に!魚のサブスク、ベンナーズが事業戦略にAD YELLを活用
■株式会社Oxxx
株式会社Oxxxは、幼児向けの冷凍食品宅配サービス「mogumo(モグモ)」を展開し、2022年のこどもの日に公式オンラインストアで一般販売を開始しました。開始から2カ月で累計1万食、1年で25万食を突破するなど、急速に市場を拡大されています。
初期の広告と仕入れにかかるコストが懸念されましたが、「AD YELL」の活用により、財務の負担を軽減しながら効率的に市場展開を進めることができました。これにより、安定した成長基盤を築かれています。
1年で累計25万食突破! 幼児向け冷凍食品宅配サービス「mogumo」が “広告費の支払いをBNPL(分割・後払い)”にしたワケ
■ラヴィストトーキョー株式会社
ラヴィストトーキョー株式会社は、植物由来のレザーを用いたブランド「LOVST TOKYO」を展開しています。このブランドは、サステナビリティに対する市場の関心が高まるなかで注目を集めていらっしゃいます。
事業拡大の過程で一時的な仕入費の増大が課題となりましたが、「STOCK YELL(ストックエール)」(※2)という仕入費の4分割・後払いサービスを活用することで解決しました。「STOCK YELL」により、キャッシュフローの改善が図られ、持続的な成長を実現されています。
生産スピードを上げるうえでのボトルネックは仕入費の増加。「STOCK YELL」でキャッシュフローの負担を軽減
※2 「STOCK YELL」は、バンカブルが提供している商品の仕入れにかかる費用を4回に分割・後払いにできるサービスです。オンラインによるお申し込みから最短3営業日でご利用が可能になります。「AD YELL」と同様に、原則として、担保や連帯保証人のご用意が不要(*)で、融資ではなく立替でサポートするため、今後の事業者さまの借入枠にも影響を及ぼしません。これらのサービスを通じて、事業者さまのキャッシュサイクルを改善し、運転資金を圧迫しない形で事業成長を支援いたします。
*「担保・連帯保証不要」は原則であり、場合によってはその限りではありません。ご了承くださいませ。
■株式会社メニコン
株式会社メニコンは、長年の経験を持つコンタクトレンズ製造販売企業であり、サブスクリプションサービス「メルスプラン」を提供しています。このプランは、毎月定額を支払うことで、眼科医の処方に基づき適切なコンタクトレンズを提供するものです。
「メルスプラン」は従来の購入方法に比べてコスト効率が良く、顧客には継続的かつ安価に製品提供が可能になりました。サブスクリプションの導入により、企業は安定して定期的な収益を得ています。
■オイシックス・ラ・大地株式会社
オイシックス・ラ・大地株式会社は、食品および食材のサブスクリプション販売で知られています。同社の「Oisix」は、顧客の自宅に直接食材を届ける宅食サービスで、2022年3月1日時点で累計利用者数は470万人を超え、出荷食数は1.4億食以上に達しました。
「Oisix」は、健康と便利さを追求する現代の消費者に合っており、継続的な顧客基盤を築いています。また、高品質な食材を提供することで、顧客の満足度を高め、リピート率も向上しています。
戦略的な単品通販で競争力を高める
単品通販は、特定のニーズに対応する商品を提供することで、リピート購入やサブスクリプションを確保するビジネスモデルです。少ない初期投資で始められるものの、サービスを広くアピールするには適切な市場戦略とブランディングが欠かせません。
特に、消費者に商品の価値を認識していただくための広告費は大きな負担となり得ます。ただし、「AD YELL」のような広告費の4分割・後払いサービスを活用すれば、キャッシュフローの改善につながり、広告への投資が容易になるでしょう。LPやインフルエンサーによる宣伝、お試し購入などで、単品通販を戦略的に展開していくことが、事業成功のポイントとなります。単品通販の事業を効果的に成長させ、競争力を高めていきましょう。

ADYELLを活用して、
さらなる事業成長へ