インフルエンサーによるリファラルマーケティングで新たな集客|バンカブル・株式会社トリドリ共催イベントレポート

2024.01.19

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フォロワー10万人以下ながら、ニッチなテーマや専門分野に特化した熱量ある投稿でフォロワーから高い支持を得る”マイクロインフルエンサー”が、SNS上で台頭しています。そんな”マイクロインフルエンサー”を中心にインフルエンサー約5.8万人と企業をマッチングするプラットフォームサービス『toridori marketing(トリドリマーケティング)』を提供する、株式会社トリドリ カスタマー領域統括部 プランニング部 部長 岡本悟氏をお招きし、「インフルエンサーによるリファラルマーケティングでの新たな集客と利益安定化へ向けた資金確保手法」というテーマでオンラインセミナーを開催しました。

本記事では、岡本氏による「インフルエンサー活用編」の内容を中心にレポートします。

目次

・インフルエンサーマーケティングは、節目を迎えている
・インフルエンサーの編集力を活かさないのはもったいない
・SNS上のユーザー行動導線はスムーズに確保されているか?
・最低でも月に30投稿前後、投稿が継続される状態をつくる
・Instagramへのアクセス数が200%アップ
・結び(質疑応答サマリ)

登壇者プロフィール

株式会社トリドリ / カスタマー領域統括部 プランニング部 部長 岡本 悟

略歴:

SNSマーケティングプランナーとして、主に大手食品、化粧品、日用品、金融、自動車など、さまざまな業界での認知・集客支援を実施。SNSアカウントにおいては300万フォロワー規模のアカウントにおける立ち上げ戦略を担当。2023年3月より株式会社トリドリに参画し、トリドリマーケティング・トリドリライクスのサービスの拡販とともにさまざまな企業のSNSマーケティング支援を実施。

インフルエンサーマーケティングは、節目を迎えている

岡本:インフルエンサーとは、SNSを通じて、世の中に大きな影響力を与える方のことを指します。フォロワー数に応じて、その影響力はメガインフルエンサー(フォロワー100万人以上)からナノインフルエンサー(同1万人以下)まで分類されます。

プロモーションを行う際、フォロワー数だけ見て、メガインフルエンサーを起用すればいいと思われるかもしれません。しかし、SNS上ではショート動画の急成長やアルゴリズムの変化により、メガインフルエンサーの動画の再生回数は低下しています。インフルエンサーに依頼をした企業の方から、「期待した再生数に到達しない」、「リーチ数が伸びない」というお悩みの声を頻繁にいただくようになりました。これまで通り、知名度のある方を起用するだけでは商品のPRに必要なリーチ量に到達しない状態になっているのです。

また、2023年にはメガインフルエンサーを中心とした大手プロダクションの買収のニュースもあり、インフルエンサー業界が新たな節目を迎えているといえます。

認知のきっかけをつくるためには、著名なメガインフルエンサーに依頼することも有効でしょう。一方で、リファラルを積み上げて、ユーザーが「ほしい」という気持ちになるまで促す必要があると考えると、メガインフルエンサー一人の起用だけでどうにかなるものではないでしょう。認知から購買まで、目的に応じてインフルエンサー施策を検討・実行していくのが重要といえます。

インフルエンサーの編集力を活かさないのはもったいない

岡本:弊社は先の分類におけるマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーを活用した施策を得意としています。そのポイントを、以下の三つにまとめました。

<マイクロインフルエンサー・ナノインフルエンサー施策を成功させる三つのポイント>

1:フォロワーから信頼されるインフルエンサーの“PR編集力”を活かす

2:商品の認知から購入までの“SNS上のユーザーの行動導線”を意識

3:最低でも月に30投稿前後、投稿が継続される状態をつくる

それぞれのポイントを説明します。

まず一つ目の「フォロワーから信頼されるインフルエンサーの“PR編集力”を活かす」について。マイクロ・ナノインフルエンサーの最大の強みは、フォロワーにとって信頼性の高い情報を編集、発信できることです。

上記スライドの二件は、実際に弊社で取り扱った事例です。本事例では、商品の写真をSNSに投稿するだけではなく、インフルエンサーの情報編集力を活かすことで、PR効果を高めることができました。

1:老舗の押し寿司屋の事例

押し寿司の写真だけでは、商品の認知拡大に結び付きません。そこで、インフルエンサーがもつ、魅せるスキルを用いてテーブルクロスや雑貨を活用し、インテリアまで含めたクリエイティブとして投稿してもらうことで、フォロワーに魅力を訴求しました。

2:通販のお菓子の事例

こちらも、おいしいお菓子だと伝えるのではなく、おすすめのギフトという切り口で発信してもらいました。フォロワーは、そのインフルエンサーの感覚や審美眼を信頼し、投稿を見ています。インフルエンサー施策では、投稿を通じたフォロワーとのコミュニケーションのなかで、「こういうものがおすすめだよ」と商品の魅力を最大限に引き出して伝えてもらうことが一番重要だと考えています。

※Fastaskを活用したインターネットリサーチより 期間:2023年9月4日~2023年9月7日

実際に、一般消費者がどのような情報を参考にしているかを調査した結果では、通販サイトの口コミのほか、SNSの投稿を参考にしている方が多いということが示されています。一般消費者にとって、SNSの投稿は口コミの一つとして、非常に信頼性が高い情報源だといえるでしょう。

ほかにも、インフルエンサーの情報編集力を有効に活用した事例をご紹介します。

3:黒ごま素麺の事例

このインフルエンサーの方は、お子さんと一緒に楽しむための情報や、多彩なアレンジレシピ、一人飲みのお供としておすすめといった訴求など、さまざまな切り口で投稿を企画しました。商品の特性を踏まえたうえで、自分のフォロワーに合うよう情報を編集することで、多様なターゲットに響く投稿が生まれます。

4:カラーマスクの事例

こちらは一つの商材を、専門領域が違うインフルエンサーの個性を活かしてPRした事例です。ファッション系のインフルエンサーの方は、自分のファッションと合う色のマスクをマスクコーデとして紹介する投稿。美容系のインフルエンサーは、コスメアイテムとして紹介する投稿。飲食店を紹介されているインフルエンサーは、「飲食店での過ごし方」という切り口でマスクを紹介する投稿。各インフルエンサーが、自分のバックボーンを活かすことで多様な投稿が生まれました。

インフルエンサーの個々の編集力を最大限活かすために重要なことは、投稿のすべてをインフルエンサーに任せしきることです。細部にわたり、写真の構造や文言の指定をすると、似通った投稿ばかりになってしまう恐れがあります。また、常にSNS上に商品の投稿がされ続ける状態を目指すことも意識しましょう。継続して投稿を積み上げていくことで、情報の新鮮さが維持できます。

SNS上のユーザー行動導線はスムーズに確保されているか?

岡本:続いて、二つ目のポイントは「商品の認知から購入までの“SNS上のユーザーの行動導線”を意識」です。下記のスライドは、インフルエンサーの投稿を見たユーザーが、商品の購入に至るまでの行動導線を示したものです。

まず、ユーザーは商品について、ハッシュタグを見つけたり、検索をすることでインフルエンサーの投稿を見つけます。その投稿に貼られたリンクから企業のアカウントに遷移し、最終的にそこから予約・購入するという流れが一般的です。この流れをスムーズに保つことがインフルエンサー施策において重要なポイントです。

上記のスライドは、Instagramの投稿を見て商品を知り、購入に至るまでの流れを示したものです。まず、商品とユーザーとの接点、認知拡大の役目を担うのが、メガインフルエンサーの投稿です。メガインフルエンサーの投稿で商品を知ったユーザーは、他の口コミを見るために、商品名をハッシュタグ検索します。その行動を見越して、事前に検索結果にマイクロインフルエンサーの投稿がたくさん出てくる状況を用意しましょう。インフルエンサーの編集力を活かした投稿をたくさん用意することで、商品への興味を醸成することができます。

インフルエンサーのPR投稿は、ブランドコンテンツとして自社アカウントに遷移できる仕組みになっているため、興味を持ったユーザーに投稿からSNSアカウントに遷移してもらう、もしくは、Web検索で公式情報に触れてもらうことが次のステップです。そして、最後に購入するという流れがInstagramにおけるユーザー導線の例です。

スムーズなユーザー導線をつくる際に、重要な点が二つあります。まずは、インフルエンサーの投稿に、商品名やジャンル名をしっかり入れてもらうことです。「商品の名前でPR投稿をお願いします」という依頼が重要といえます。二つ目は、自社アカウントからECサイトへの流入経路の確保です。基本的な内容ではありますが、改めてSNSアカウントからECサイトに辿り着きやすい状態になっているかどうかを確認しましょう。

 

最低でも月に30投稿前後、投稿が継続される状態をつくる

岡本:三つ目のポイントは、「最低でも月に30前後の投稿がされ続ける状態をつくる」です。ここが一番重要なポイントだと考えています。

※Fastaskを活用したインターネットリサーチより 期間:2023年9月4日~2023年9月7日

上記スライドのように、一つの商品を購入する際に閲覧する口コミ数は、4〜7投稿という調査結果があります。口コミ数を増やしていくことが、ユーザーが購入に至るために重要だということです。全ての投稿にユーザーが触れるわけではないため、できれば少し多めに月30程度の投稿が必要だといえるでしょう。

単発発信ではなく、PR投稿を継続して蓄積していくことで、ユーザーの購買行動の加速につながります。上記のスライドは、SNS上の投稿へのアクセス数と投稿のタイミング、広告費の移り変わりをグラフ化したものです。継続的な投稿によりユーザーの認知が拡大することで、広告費が圧縮されるケースもあります。最初のタイミングで、インフルエンサーの投稿を積み上げていくが重要だといえるでしょう。

Instagramへのアクセス数が200%アップ

岡本:続いて、インフルエンサーマーケティングの具体的な成果について、先ほどもご紹介したカラーマスクの事例をもとに、詳しくご紹介します。

この企業は、認知拡大のために投稿数を増やしたいと考えていたものの、元々商品名のハッシュタグ投稿が少なく、そもそもどうすれば投稿数を増やせるのか分からないというお悩みを抱えていらっしゃいました。

サービス導入後、地道にインフルエンサーとコンタクトを取っていったことで、5,000件以上の自社商品の投稿を創出することに成功しました。その結果、自社Instagramアカウントへのアクセス数が200%アップという高い成果につながりました。さらに、自社Instagramアカウント経由で、自社ECサイトへのアクセス数も伸びたと伺っています。

ハッシュタグで商品名を調べてみると、今でも5,000件以上の投稿が出てきます。これらの状況から、継続的な投稿が、ユーザーとの接点の創出に貢献しているといえるでしょう。また、PRレポート内に寄せられる、ユーザーからの率直な意見も、商品開発や自社アカウントでの投稿づくりに役立ったというお話も伺っています。

最後に、本日のポイントを整理します。

認知拡大、購買増につなげる、リファラルの積み上げ型インフルエンサー施策を実施する際のポイントは、「インフルエンサーに投稿の裁量権を渡し、フォロワーに信頼される編集力を活かす」こと、次に「SNS投稿で商品を認知してから購買までのSNS導線を意識して整えておく」こと、最後に「単発ではなく、最低でも月に30投稿程度は投稿が上がり続ける状態をつくる」ことが重要です。この三つのポイントを押さえ、皆様のECの売上アップ、SNSアカウントの盛り上げに貢献できたらうれしく思います。

結び(質疑応答サマリ)

髙瀬:御社のサービスを活用されてインフルエンサー施策を行う企業のKPIの立て方、モニタリングの方法について教えてください。

岡本:購買に至るまでの間に、中間KPIをおいて実証することが必要です。適切なKPIは二つで、一つ目はリーチ数です。1万人のフォロワーがいるインフルエンサーの投稿で、1万人にリーチするわけではなく、逆に上回るケースもあります。そのため、今回の施策の活用により、どれだけのリーチがあって商品の認知につながったのかが重要なKPIだと思います。二つ目は、ECへの影響力、つまりInstagram経由でのECのアクセス数です。プロフィールのクリック数が指標となるため、インフルエンサー施策を実施している最中、またはそこから直後は動向をみていただきたいですね。

髙瀬:御社が支援している企業で、成果が出ている企業の共通点はありますか。

岡本:インフルエンサーに対し、自社の商品のセールスポイント、類似商品との違いをしっかり伝えられている企業は、成果に結びつきやすい傾向にあると感じます。消費者に情報を伝えることはもちろん大事ですが、インフルエンサー自身が紹介をしたくなる商品かどうかが重要だと思います。インフルエンサーがいいと思えば、最初に紹介した投稿のあとに、長期使用レビューといった形で追加投稿をしてくれることもあります。インフルエンサーの熱量が資産として返ってくるケースは比較的多いのではないでしょうか。

髙瀬:ありがとうございます。非常によく理解できました。インフルエンサーマーケティングの世界は多様ですが、トリドリさんは上場されていて、ガバナンスもしっかりされていて、かつ実績もおありです。皆さんには、本日、岡本さんにお話いただいたリファラルマーケティングの三つのポイントを参考にし、集客に活用していただけますと幸いです。

 

※掲載内容はイベント当時のものです。

【イベントご協力】
株式会社トリドリ カスタマー領域統括部 プランニング部 部長 岡本 悟
WEBサイト:https://toridori.co.jp/

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