美容室の運転資金はいくら必要?運転資金の目安から融資で調達する方法まで紹介

2024.04.08

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美容室の運転資金はいくら必要?運転資金の目安から融資で調達する方法まで紹介

美容室を開業し、確実に運営するには、運転資金に加えて生活費も考慮する必要があります。また、競争が激しい業界のため、自社を広く認知させる広告宣伝費の確保も重要といえるでしょう。

開業への課題が多くあるなかで「美容室の経営に運転資金はいくら必要なのか」「長期的に事業を維持するためには、資金繰りはどうしたらよいのか」といった資金面の不安を抱えている経営者は少なくありません。

そこで、本記事では、運転資金の平均値や目安、開業時に必要となるそのほかの費用と、資金を確保するための具体的な方法など、詳しく解説します。また、運転資金確保の際の注意点や、売上を伸ばし安定した経営を目指すためのポイントにも触れていきますので、美容室の経営を考えている方はお役立てください。

目次

美容室の運転資金とは
■固定費と変動費の二種類
■経営者は自身の生活費も考慮
美容室の運転資金の平均値と目安
美容室開業で運転資金以外に必要な費用
■テナントの保証金や礼金など
■内装工事・設備費
■広告宣伝費
美容室の運転資金を確保する方法
■日本政策金融公庫からの融資
■経営支援団体からの融資
■自己資金ゼロでも借入は可能
美容室の運転資金への不安を軽減させる方法
■小規模で美容室を開業する
■各種の契約内容を見直す
■国や自治体の補助金・助成金を活用する
美容室の運転資金を確保する際の注意点
■お客さまの支払い方法によって入金が遅れる
■事業特有の税金の納税が発生する
■融資返済を滞納すると経営に支障がでる
美容室の運転資金に関するよくある質問
■フランチャイズにすると運転資金は苦しくなる?
■無料の相談窓口はある?
■親族からお金を借りても税金がかかる?
■運転資金を伸ばすための方法は?
美容室の運転資金を確保するには、収支のタイミングが重要

 

美容室の運転資金とは

美容室の経営には運転資金(消耗品などの変動費と家賃などの固定費)と自身の生活費が必要

運転資金とは、日々の業務を支え、事業を継続するために必要な資金のことを指します。美容室を安定して運営するためには、運転資金の綿密な管理が不可欠です。

ここでは、運転資金の主な種類と要素のほか、運転資金に準ずるコストについて解説します。

■固定費と変動費の二種類

美容室の運転資金は、固定費と変動費の二つに大きく分けられます。固定費とは、売上に関係なく発生する固定的な出費です。例えば、店舗の賃料や水道光熱費、人件費、定期的な広告費などが含まれます。

一方、変動費は、業務量に応じて変動する費用のことで、美容用品や備品の消耗品費、業務委託費、雑費などが挙げられます。美容室経営にかかる固定費と変動費を洗い出し、まずは正確に把握しましょう。

■経営者は自身の生活費も考慮

美容室経営では、店舗の固定費や変動費の管理だけでなく、経営者自身の生活費も重要な事項です。美容室の固定費や変動費を支払える収益があっても、経営者の生活費が捻出できなくては、経営の継続は難しくなります。

そのため、経営自体にかかる固定費や変動費のほかに、自身の家賃や食費、水道光熱費など、個人の生活費も考慮して運転資金を算出しましょう。

 

美容室の運転資金の平均値と目安

美容室の運転資金の平均は約150万円

日本政策金融公庫の「新規開業実態調査(特別調査)2014」によると、美容室の創業時に必要な運転資金の平均は約150万円という調査結果がでています。

さらに、経営の安定性を高めるためには、粗利益の3〜6カ月分程度の運転資金を持つことが目安とされています。一般的に、経営が軌道に乗るまでには、およそ6カ月程度かかるとされているためです。また、運転資金に余裕を持たせておくと、予想外の出費にも対応できるため、売上が安定するまでの経営を支える基盤になります。

運転資金の平均値と粗利益の3〜6カ月分程度の金額を目安に用意しておくことが、開業への第一歩となります。

 

美容室開業で運転資金以外に必要な費用

美容室を開業する際は運転資金以外にも、テナントの保証金・礼金や内装工事・設備費、広告宣伝費が必要

美容室を開業する際には、運転資金以外にもさまざまな初期費用が必要になります。

■テナントの保証金や礼金など

店舗を構えるためには、テナント契約に際して保証金や礼金、仲介手数料などの前払い費用が発生します。礼金や仲介手数料などは、賃料の1カ月分が目安となりますが、保証金は賃料の3〜12カ月分とまとまった金額が必要です。

また、美容室の立地や規模によって賃料が大きく異なり、例えば、都心部では1坪あたりの賃料の目安は3〜5万円程度となります。

事前に賃料の相場を調査し、テナント契約にかかる費用を見積もっておきましょう。

■内装工事・設備費

美容室の内装工事には、1坪あたり40~50万円程度の費用がかかる傾向があります。また、シャンプー台やスタイリングチェア、鏡、ドライヤー、洗濯機、パソコンなどの専門設備の購入費用も考慮する必要があります。

内装や設備は、開業初期の印象やサービスの質の高さに影響するため、特に注意を払い、計画的に投資していきましょう。

■広告宣伝費

競争が激しい美容業界において、店舗の認知度向上と新規顧客の集客のためには、効果的な広告宣伝が欠かせません。

SNSやホームページ、ポータルサイトへの掲載、リスティング広告など、さまざまなメディアを活用した宣伝活動が必要です。広告宣伝費は開業時だけでなく、継続的な顧客の集客のためにも重要な投資項目となります。

 

美容室の運転資金を確保する方法

美容室の運転資金を確保するには、日本政策金融公庫や経営支援団体からの融資が活用可能

美容室を開業するにあたり、早期から運転資金の確保について計画しておきましょう。ここでは、美容室の運転資金を確保するためのいくつかの方法を紹介します。

■日本政策金融公庫からの融資

日本政策金融公庫は、国が支援する金融機関で、特に、新規開業者への融資に積極的です。低金利での融資が可能で、審査は民間の金融機関に比べると柔軟な傾向にあります。

ただし、事業の見通しが立つかどうかが融資の主な判断基準となるため、事業計画の信頼性が重要になります。根拠のある事業計画を立て、融資へとつなげましょう。

■経営支援団体からの融資

商工会や商工会議所などの経営支援団体からも融資の支援を受けることが可能です。経営支援団体は、融資情報の提供だけでなく、場合によっては直接融資を行うこともあります。

経営支援団体は、地域に根ざした事業に対して支援を行うことが多いため、開業予定地を管轄する商工会や商工会議所への相談が有効です。相談時は、開業によりどのような地域貢献ができるかをアピールしましょう。

■自己資金ゼロでも借入は可能

自己資金がない状態でも、事業計画がしっかりしており、収益性が高いと見込まれる場合は、融資を受けることが可能です。特に、現在勤務している美容室の近くで開業する予定があるなど、すでに顧客基盤があるといった有利な状況があれば、融資のチャンスは高まります。

創業の動機や目的、収益予測や競合優位性を記載した説得力のある事業計画書を作成し、金融機関を納得させることが重要といえるでしょう。

 

美容室の運転資金への不安を軽減させる方法

美容室の運転資金の不安を減らすなら、小規模での開業や固定費の契約内容の見直し、補助金などの活用が効果的

美容室経営の資金繰りに不安を抱える人は少なくありません。ここでは、その不安を軽減するための方法を紹介します。

■小規模で美容室を開業する

美容室を小規模で開業すれば、テナントの賃料や初期の設備投資を大幅に削減することが可能です。また、一人または少人数での経営ならば、人件費の節約にもつながります。初期費用や固定費を抑えることで、経営リスクや運転資金へのプレッシャーを減らすことができます。

■各種の契約内容を見直す

美容室の運営に不可欠な電気やガス、保険などの各種契約内容を見直すと固定費の無駄が見つかることがあります。その際、複数の業者を比較検討することで、コスト削減のチャンスにつながります。

サービス内容も含めて総合的に評価し、コストパフォーマンスの高い契約に更新しましょう。

■国や自治体の補助金・助成金を活用する

国や自治体が提供する補助金や助成金のなかには、事業再構築補助金やIT導入補助金など、さまざまな支援制度が存在します。補助金や助成金などは、通常後払いのため、資金に余裕があるうちに申請しておく必要があります。

また、国家予算や申請期日に限りがあるため、最新情報をチェックし、早めに手続きを進めることが望ましいでしょう。

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美容室の運転資金を確保する際の注意点

美容室の運転資金を確保するには適切なキャッシュフローの管理が大切

美容室の運転資金を確保するためには、キャッシュフローを把握しましょう。特に、支払い方法の多様化、事業特有の税金の納税、そして融資返済の管理は、安定的な経営を保つうえで大きな要素です。

■お客さまの支払い方法によって入金が遅れる

近年、キャッシュレス決済の普及により、クレジットカードや電子マネーによる支払いが一般的になっています。しかし、キャッシュレス決済は決済事業者を経由するため、実際に入金されるまでに時間がかかります。

場合によっては、入金遅延によって帳簿上では利益が出ている黒字であっても、実際には手元の現金が不足する状況が発生することがあります。固定費や変動費の支払いに影響が出ると、黒字倒産に至るリスクが高まります。黒字倒産とは、売上があるにもかかわらず、支払いに必要な資金が不足しているために倒産してしまうことです。

入金までに発生する支出を把握し、黒字倒産を免れるよう適切にキャッシュフローを管理しましょう。

■事業特有の税金の納税が発生する

美容室を法人経営しているのであれば、法人税や消費税、事業所税などの納税義務があります。また、個人事業主の場合は、所得税、住民税、国民健康保険料、個人事業税などがあり、課税事業者になると消費税の納税も求められます。

税金は、期限までに納めなければならないため、日頃から必要な金額を確保しておくことが重要です。急な税金の支払いに備え、計画的な資金管理を心がけましょう。

■融資返済を滞納すると経営に支障がでる

融資の返済を滞納すると、遅延損害金や延滞利息の支払いが発生し、さらに金融機関からの信用を失うリスクがあります。信用を失うと、将来的に必要になるかもしれない融資の審査に通りにくくなるなど、経営に大きな支障をきたすことになります。

もし滞納が発生しそうな場合は、早いタイミングで融資を受けた金融機関に相談しておくようにしましょう。

 

美容室の運転資金に関するよくある質問

美容室の運転資金に関するよくある質問への回答

ここでは、運転資金に関するよくある質問とその回答を紹介します。

■フランチャイズにすると運転資金は苦しくなる?

フランチャイズに加盟すると、長期的には集客に関するリスクが軽減され、運転資金の圧迫を抑えながら事業を拡大できる可能性が高まります。ただし、本部へロイヤリティの支払いが必要になるため、運転資金の負担は増える可能性があります。

一方で、フランチャイズ本部からの経営ノウハウの提供やブランド力により、集客が容易になることも多く、結果的に安定した収益を得やすくなるといったメリットもあります。

■無料の相談窓口はある?

商工会議所や中小企業基盤整備機構、よろず支援拠点など、開業支援を実施している機関では、無料相談窓口が設けられています。窓口では運転資金の確保方法や経営上の悩みを相談でき、専門家からアドバイスを受けることも可能です。

■親族からお金を借りても税金がかかる?

親族からの借入には税務上の注意が必要です。年間110万円を超える無利子での借入は贈与とみなされ、贈与税の対象になることがあります。もし、借入が多額になる場合は、借用書を作成し利息設定したうえで、定期的に返済を行っていれば贈与税を回避できる可能性があります。

■運転資金を伸ばすための方法は?

安定した経営のもとで運転資金を増やしたい場合、販売促進のための広告、サービス品質向上のための設備投資、スタッフのスキルアップを目指した教育・研修など、事業成長のための投資を検討しましょう。特に、リピーターの来店を増やすために、ニーズ想起や自社を思い出してもらったりするための広告戦略に注力することは効果的な手法の一つです。

運転資金を圧迫せずに広告に投資するには、「AD YELL(アドエール)※1」や「STOCK YELL(ストックエール)※2」のような広告費や仕入費の後払いサービス(BNPL※3)を利用するという選択肢もあります。売り上げ拡大や店舗拡張へ向け、キャッシュフローの負担を減らし、より多くの投資を行うことが可能になります。

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美容室の運転資金を確保するには、収支のタイミングが重要

美容室の運転資金を確保するには、収支のタイミングが重要

美容室を成功させるためには、適切な運転資金の確保と管理が不可欠です。特に、収支のタイミングによっては黒字倒産を招く可能性があるため注意が必要です。少なくとも3〜6カ月分の運転資金を手元に準備しておくことで、入金遅延や予期せぬ出費、売上の変動にも柔軟に対応できるよう備えましょう。

運転資金を確保する方法として、様々な融資制度の活用も視野にいれて考えましょう。また、売上拡大・店舗拡張のため運転資金を積極的に増やすためには、「AD YELL」や「STOCK YELL」といった広告費や仕入費の分割・後払いサービス等も上手く活用しながら、美容室経営を安定させ、長期的な成長へとつなげましょう。

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