大切なことはお客さまとの共感づくり。不要な業務の棚卸しと、コミュニケーションへの注力でひとりECでも年商1億円を実現!

2024.05.28

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たった一人で運営するECショップが、5期連続で年商1億円を達成しました。お客さまの共感を大切にしながら、ダイエット食品や健康食品を販売する「ミウラタクヤ商店」。不要と判断できる業務は徹底的に削減し、生まれたリソースを、お客さまとのコミュニケーションに注ぎます。徹底的な選択と集中で売上を伸ばす運営の秘訣について、三浦卓也さんにお話を伺いました。

目次

プロフィール
お客さまの共感を大切にする「ミウラタクヤ商店」
5期連続年商1億円達成の秘訣。やらないことを増やす
お客さまとのコミュニケーションが一番大切
毎日のインプットが一人運営のECをバージョンアップさせる
さらに、無理のないダイエットを広めていきたい

 

プロフィール

三浦 卓也 / ミウラタクヤ商店

社会の脂肪を減らすミウラタクヤ商店を運営。自身の経験を生かしケトジェニックダイエットに関するプロテインやサプリのEC販売を行う。5期連続年商1億円。新しく書籍『最強のEC運営術』を出版。個人でも売上を大きく伸ばせるネットショップ運営術『ひとりEC』をインプレス社より出版。

 

お客さまの共感を大切にする「ミウラタクヤ商店」

—「ミウラタクヤ商店」についてご紹介ください。

健康食品のECを運営しています。主に、販売している商品は、プロテインやサプリメントが中心です。糖質制限によって身体をケトジェニック(※1)な状態にし、脂肪を燃えやすくするケトジェニックダイエットに関わる商品です。ケトジェニックダイエットとは、単に「糖質制限」を行うダイエットではなく、三大栄養素の「タンパク質・脂質・炭水化物」のバランスを意識したダイエット方法です。

私自身、約5年前(2018年頃)にダイエットで10kgほど痩せたときに、ダイエットについて勉強しました。経験から得た健康知識を基に、栄養素から組み合わせまで考えて商品を企画・販売しています。

(※1)食事からの糖質摂取が極端に低く、かわりに脂質が主なエネルギー源として利用される状態のこと。

—事業を運営するうえで、大切にしていることはありますか。

お客さまとのコミュニケーションをしっかりとったうえで、商品のことを理解してもらい、納得して当店の健康食品を購入していただくことです。

ECとはいえ、「ミウラさんのお店だから買いたい」といった属人的な共感性を大切にしています。

お客さまから大変多くいただく、「ダイエットして痩せたい」というご要望に対して、成功するために必要な情報提供をしています。その際に、私自身の成功体験だけではなく、ご購入いただいたお客さまのものも含めて提供することで、情報の循環を意識していますね。お客さまは、企業やメーカーから発信される縦の話だけではなく、自分と同じような要望を持つ購入者の横のお話をより求めていらっしゃいます。

現在、健康食品やダイエット食品の市場は、競合がひしめき合っています。大手を含む他社メーカーさんとの正面勝負では、正直なところ勝ち目は薄いと考えています。そのため、差別化ポイントとして、コミュニティーやミウラタクヤ村をイメージして運営している点が、特徴の1つではないでしょうか。

 

5期連続年商1億円達成の秘訣。やらないことを増やす

—たった一人で、5期連続年商1億円を達成されました。効果的な事業運営のポイントについて、教えてください。

徹底的な選択と集中ですね。自分が対応することで売上に影響を与えることには集中し、売上につながらない業務はしない。これを極めることだと思います。例えば、受注後の商品を発送する物流工程は、外部の提携事業者さんに任せています。

配送の時間指定もやめました。通常のECであれば当たり前のサービスでも、オペレーションを考えると、かなり労力がかかるサービスでした。そのため、お客さまに追跡番号をお伝えし、ご自身で確認いただく形に変更しました。フルサービスを提供しなくても、お客さまが満足いただけるような運営方法を考えています。

さらに、新商品の企画も、メーカーさんとのやりとりの時間がかかるので、最初から自分で原料の配合比率を指定して製造工場で作ってもらっています。

—その業務が必要か否かは、どうやって見極めるのでしょうか。

私自身がお客さまの立場に立ち、気にならないことはどんどん減らしていきました。例えば、DMですが、「いつもお世話になっております」といった冗長な表現を減らしました。お客さまにとっても「読むのは時間の無駄」だと考えたからです。実際、無くしたところで問題は起きませんでした。

もし、お客さまからネガティブなフィードバックが寄せられれば復活させれば良いだけです。

売上につながらない業務は優先順位を下げ、売上につながる新規顧客への認知と、既存顧客への情報発信と交流に集中しました。こうしたことをコツコツ積み上げることで、年商1億円に到達できたと思っています。

 

お客さまとのコミュニケーションが一番大切

—お客さまへどのような情報を発信しているのでしょうか。

私は、常にお客さまの視点を意識しています。売り手によくあるのが、「商品を売ること」に視点を置きすぎて、顧客にその目的が透けて見えるということ。大切なことは、その先のお客さまが「その商品を通してどういった体験を得たいのか?」そこまでを想像することです。

通販や物販は、モノ売りにフォーカスしがちです。ミウラタクヤ商店であれば、プロテインやサプリメントを販売していますが、最終的にお客さまが求めることは、「プロテインがほしい」のではなく、「体脂肪を減らしたい」のです。モノ売りになってしまうと、プロテインに関する情報発信しかしなくなります。

そうではなく、「お客さまは商品を通して、本当は何を得たいのだろう」と考え、そのニーズに応える発信が必要です。そのために、お客さまからのヒアリング内容についても発信することで、「ほかのお客さまはどう思っているのか」といった情報の循環を大切にしています。

—具体的に、どのようなコミュニケーションを行っているのでしょうか。

LINE公式アカウントを活用した、オンライン接客です。EC事業ですが、接客については一人ひとりのお客さまと直接LINEでやり取りしています。先日カウントしたところ、1カ月で累計4,600回のやり取りをしていました。平日、休祝日問わず、1日2時間ほど、約20〜30人の方を接客しています。接触頻度が上がるほど、ファンになってもらえる可能性が高まると考えています。

メルマガの配信も行っていますが、1,000文字を1回送るよりも、200文字ずつ5回に分けて配信した方が効果的です。頻度が高いとお客さまに迷惑をかけるのではないかと心配になるかもしれません。けれども、この点は心配は無用です。配信頻度が高いことでメルマガの登録解除をしたお客さまも、必要であれば戻ってきてくれます。発信を続けることが、結果的にも効率のよい運営につながります。

頻度に加え、実は、お客さまとの距離感も大切だと感じています。ミウラタクヤ商店はダイエットに関して、お客さまにとって「役にたつ後輩」くらいの距離間で捉えてもらえたらいいなと考えています。「敬語で話すけれど、フレンドリーで気も遣ってくれてる」距離間ですね。

 

毎日のインプットが一人運営のECをバージョンアップさせる 

—ビジネス上の知識のアップデートやアイデア出しはどのようにされているのでしょうか?

毎日1時間、読書の時間を確保し、インプットを継続しています。一人での事業運営は、どうしても視野が狭くなってしまいがちです。ほかの方とコミュニケーションをとろうにも限界があります。読書やYouTubeなどからエッセンスを拾って、使えそうな気づきは仕事でも実際に活用しています。

—効果的な時間の使い方があれば教えてください。

作業の時間と人と関わる時間を、明確に分けることですね。1日のなかで、集中力が途切れる時間を作らないように意識しています。稼働時間は、朝の8時から夜は19時前後まで。合間に子どもの送り迎えなどもしながら、仕事とプライベートを両立させています。午前中から14時頃まではパソコンで作業したり、思考に集中する時間です。ミーティングやコンサルティング業務などの時間は、午後にまとめるといった感じです。

—朝イチのエクササイズを継続されているそうですが、それもまたご自身や、EC運営への効果を意識されての習慣なのでしょうか?

 そうですね。一番の目的は脳の活性化です。また、ダイエットの意図もあります。健康食品の販売なので、自分が太ってしまうと説得力がなくなってしまう。「この程度の負荷の運動であれば、体脂肪が落ちるのでは?」といった検証をしながらエクササイズをしています。

ミウラタクヤ商店のお客さまには、筋肉を大きくしてムキムキになりたいとか、モデル体型になりたいといった方々は少ないですし、その要望を持つ方々をターゲットとしていません。。ハードな筋トレや運動を続けないと痩せないという風潮がありますが、実はそんなことはありません。きつい運動を続けなくても習慣化でき、ダイエットが継続できる内容を意識してコンテンツも作っています。

 

さらに、無理のないダイエットを広めていきたい

—今後の展望について教えてください。

今後は事業を広げていくフェーズだと思っています。こうした背景には、今の事業が、お客さまに喜ばれているといった自負があるからです。お礼をいただいたり、オフラインで新しいお客さまを紹介いただいたりすることも増えてきています。

健康やダイエットの普及は、社会にとって有益なことなので、これをさらに拡大していきたいと考えています。

—今後はスタッフを増やす予定はあるのでしょうか。

基本的には、今後も「ひとりEC」を継続していく予定です。一人運営のメリットは、すべての責任を自分で負って仕事に集中できることです。独立前に働いていた会社では、数万円の経費も社長にプレゼンして決裁が必要でした。組織であるがゆえに、必要なプロセスと理解はできましたが、自分で判断できないことがとてもストレスでした。

一人でビジネスを始めてから、自分の仕事に集中できるようになったことは本当によかったと思っています。これまで一人で運営するために、業務の選択と集中を磨いてきました。

 

—ひとり運営のおもしろさとは自分の世界を広げることが、ダイレクトにお客さまへの喜びや価値提供につながることかもしれませんね。今後の働き方の1つとして、組織やチームで事業運営する方々に気づきと勇気を与えてくれるお話でした。本日は、ありがとうございました。

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