1年で累計25万食突破! 幼児向け冷凍食品宅配サービス「mogumo」が “広告費の支払いをBNPL(分割・後払い)”にしたワケ
ありそうでなかった、幼児向けの冷凍食品宅配サービス「mogumo(モグモ)」を展開する株式会社Oxxx(本社:福岡県福岡市、代表取締役:黒瀬優作、以下オックス)。2022年5月5日のこどもの日に公式オンラインストアでの一般販売を開始し、2カ月間で累計1万食、1年で累計25万食を突破した。この急成長を後押ししたのが、株式会社バンカブルが提供する広告費の4分割・後払い(BNPL)サービス「AD YELL(アドエール)」だったという。そして今、さらなる事業拡大を前に、仕入費の4分割・後払いを可能にするバンカブルの新サービス「STOCK YELL(ストックエール)」をいち早く導入予定。「これ以上ないサービス」と絶賛するオックスの黒瀬氏に、事業について、「AD YELL」「STOCK YELL」の活用について話を聞いた。
離乳食には「買う」という選択肢があるのに、幼児食にはない
――オックスが開発・販売されているサービス「mogumo」は、離乳食完了後から6歳までの幼児のための冷凍幼児食という新カテゴリーのD2Cですが、このサービスを始められた背景についてお聞かせください。
黒瀬優作社長(以下、黒瀬) 当時1歳2カ月を迎えた娘がちょうど、離乳食から幼児食に切り替わる時期だったんですね。5歳くらいまでは年齢によって必要な栄養の摂取量が大きく変わりますので、大人の食事をただ分けて食べさせるだけでは十分とは言えず、子ども用の食事を別に作らなくてはなりません。共働きのわが家では大人と子どもの食事を分けて毎日作るのが本当に大変でした。また言葉が話せる年齢になると、食についても主張が強くなり、苦労して作っても食べてくれないことも増えました。その際、離乳食に関しては「作るか」「買うか」という選択肢が比較的身近に豊富にあるのに、幼児食は「買う」選択肢が極端に少ないことに気がついたんです。
いろいろな人にインタビューをしたところ、同じ悩みを抱いている人が非常に多く、これはひとつの社会課題ではないかと感じるようになりました。そこで幼児期の食事の悩みをすべて解決できる方法を考え抜いた結果、「幼児食の冷凍宅配」というアイデアにたどり着いたのです。
――これまでに存在しなかった新しいビジネスを作り出すということはとても勇気が必要だったと思いますが、なぜ成功するという確信を持つことができたのでしょう?
黒瀬 「目の前で困っている人を助ける」ということが弊社の企業文化なのですが、起業に際し、幼児を子育て中の約1500人を対象にアンケートを実施したところ、実に100%の人が、何かしら食事のことで困っていることがわかりました。幼児食の悩みは、例えば食が細い、偏食傾向が強い、たんぱく質を取りづらい、アレルギーがある、共働きで作る時間がないなど、家庭環境によって全く異なります。だからこそ、これを解決できるプロダクトがあったら受け入れられるという確信を持つことができました。
また僕自身、幼児食で困っていましたし、会社の他のメンバーもちょうど同じくらいの子どもを育てている最中で、同様の悩みを抱えていたのです。そこでこの事業のアイデアを伝えたところ、メンバー全員が「すごくいい!」と賛同してくれたことも自信につながりました。
そこで専門家と共に、数百食以上の試行錯誤を繰り返しながら、単なる時短商品ではない、栄養バランス・味・安心安全の3つを追求し、「mogumo」を完成させました。
大切なのは、「正しさ」より「楽しさ」
――1年で25万食突破、初回注文後の継続率が8割以上と、成長率も継続率も非常に高いのですが、その要因はどこにあるのでしょう?
黒瀬 私たちが重要視しているのは、「プロダクトで問題を解決する」というよりは、「商品と体験をセットにして本質的な課題を解決する」ということです。幼児食の悩みをいろいろお聞きすると、一番多いのが「偏食」と「小食」=「食べてくれない」という悩みが多いのです。そこで私たちは「食べない子が食べる幼児食」を謳い、「体験」をセットにすることにしました。
ご家庭では基本的に、お母さんやお父さんが作ったものを「食べるだけ」のことが多く、ある意味受動的で自分から関わる機会が少ない子がほとんどですよね。これに対し初回に6食セットのキッズメニューをお送りし、レストランのように食べたいメニューを子ども自身が選べるようにしました。また、2歳前後の子どもは電子レンジのボタンを押して、冷凍食品を温めるといった「お手伝い」ができるようになるので、お客様には「電子レンジのボタンをお子さんに押してもらってください」とお願いしています。すると子どもは「これは自分で作ったご飯」という感覚が持てるようになり、食への関心が高まります。さらに、ご飯を食べ終えたら貼るシールや、子どもが楽しく会話しながら食べられるようなランチョンマットを付けたり、友達感覚で会話しながら食べられるようなセットを付けたりするなど、子ども自身が食の楽しさを体験することと商品を、セットにしているんです。
──食べることを楽しめる、楽しみながら食べられることは食育として重要ですね。
黒瀬 メニューについては当然マーケティングや調査もしていますが、私たちは「正しさ」より「楽しさ」を大きなテーマとして掲げています。情報があふれる世の中ですので、子育て世帯では「幼児食はこうしなければならない」「こうあるべき」と思い込んでしまったり、それが理由で悩んでしまったりするケースがとても多いのが現状です。でも、「正しい幼児食を」と意識すればするほど、子どもは食べなくなってしまうこともあります。もちろん正しさは大事ではありますが、それ以上に子ども自身が心から楽しいと思えるような食環境作りを提供したいと思っています。
「mogumo」によって家族みんなが笑顔になり、両親も時間が効率的に使えるようになってほしい。それを願い、日々取り組んでいます。
広告費のキャッシュフローに迷っていたときに出会った「AD YELL」は“神サービス”
――急成長を遂げる中で「AD YELL」を利用されたそうですが、きっかけは何でしたでしょうか。
黒瀬 ローンチから3~4カ月が経ったころに参加したあるイベントで、バンカブル社長の髙瀬さんが登壇されたセッションをお聞きしたことがきっかけです。他社サービスと比較検討してもとても良かったので、髙瀬さんのお話が終わってすぐに、バンカブルの方へ声をかけ、話を聞きました。
私たちの場合、仕入費と広告費の部分で先立つコストがかなり大きいため、そこにキャッシュフローを合わせるのが重要だということは理解していました。そのため、Web広告の出稿費用を分割・後払いできるというのはすごくありがたいと思いました。申し込んだ後のスピードも相当なもので、イベントで話を聞いてから1カ月以内には導入でき、「神サービスだ!」と思いました。
――「AD YELL」導入後の効果についてお聞かせください。
黒瀬 メリットは数多くあるのですが、まずキャッシュフローがかなり改善されて、現金がある状態を維持できるようになったことは大きいですね。投資家の皆様は経営状況を見るときに当然ながらキャッシュフローを重視します。「どこをどう改善するか」を投資家の皆様にお話しする際も、「『AD YELL』というサービスを利用することで当月から黒字化ができる」とお伝えすると、非常に評価が高まるのです。また融資してくださっている金融機関についても、直近月がすぐに黒字化し、通年で黒字になる計画が明示できるため、資金調達のしやすさが劇的に向上しました。
イベント時、髙瀬さんが「『AD YELL』は事業を成長させるための、攻めのサービス」と話されていましたが、導入後は特にそれを実感しています。広告投資やエリア拡大など、攻める施策を行うためにさまざまな面で助けていただいています。
――「AD YELL」では「仕入費」を分割・後払いで支援する「STOCK YELL」を展開予定ですが、その活用についてはいかがでしょうか。
黒瀬 商品を生産してくれる工場や、食材を提供してくれる生産者さんへの発注時に立て替えていただける、大変画期的なサービスですよね。積極的に利用させていただくつもりです。食品関係の工場や生産者さんたちの卸先は、約7割を外食産業や宿泊施設が占めているため、コロナ禍で大打撃を受け、今も経済的に苦しい状況です。ですので、キャッシュフロー改善のため、できるだけ早く入金してほしいと考えていらっしゃいます。
一方で、食品工場・食品業界に関して言えば、旧態依然の体制──与信がないと取引ができないケースが多く、私たちのような与信のないスタートアップ企業は、そもそも取引させてもらえないことが多いのです。それが、「上場企業傘下のバンカブルさんという企業が(私たちの代わりに先に)立替えます」とわかれば、工場も生産者さんも安心して取引してくださるようになります。双方にWIN-WINな、「神カード」だと思います。
――今後の事業展望についてお聞かせください。
黒瀬 今後は販売チャネルを広げ、楽天市場などのモールはもちろん、ファミリーレストランなどのオフラインでも販売できるようにしていきたいです。個人の方の場合、冷凍配送がゆえの「800円」などの配送料がネックとなり、やめてしまう方も多いんです。ですので近所のファミレスやコンビニエンスストアなどで手軽に購入していただけるようにすることで、より多くの幼児を育てているお困りのご家庭の手助けがしたいと考えています。そして最終的にはやはり、全国展開をして、このサービスを必要としている多くの方々にご利用いただけるようにしていきたいです。
※掲載内容は取材当時のものです。
※記事・画像ともにECのミカタ提供
ADYELL PROを活用して、
さらなる事業成長へ