資金繰りとは?資金繰りが悪化する要因や苦しいときの対策を解説

2024.10.18

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資金繰りとは?資金繰りが悪化する要因や苦しいときの対策を解説

企業経営において、資金繰りは企業の存続に関わる要といえます。資金の流れを正確に把握し適切な対策を講じなければ、最悪の場合、倒産に至ることさえあるでしょう。

資金面で不安なく起業や経営を続けるためには、資金繰りの基本を理解し、日々の管理を徹底することがポイントとなります。特に、資金繰りが悪化する前の施策が大切です。

本記事では、資金繰りについて基本的なことから詳しく解説します。健全な経営を支えるためのポイントをご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

 

 

目次

資金繰りとは
資金繰りが悪化する2つの原因
■事業費用の増大
■支払いと売上の入金にタイムラグがある
資金繰りは「苦しくなる」前の対策が鍵
■金融機関から追加融資を受ける
■過剰在庫や未回収売掛を現金化する
■RBFで資金を調達する
■支払い方法や返済スケジュールを変更する
■業務フローを見直し、外注も検討する
■事業のM&Aを検討する
資金繰りの悪化を防ぐ4つの対策
■資金繰り表を作成する
■運転資金に余裕を持っておく
■資金、ファイナンスの外部壁打ち相手を見つける
日頃から資金繰りに注意を払おう

 

資金繰りとは

資金繰りとは、事業活動に必要な資金を管理すること

資金繰りとは、事業活動に必要な資金を管理することを指します。

資金繰りの目的は、事業における資金の過不足を防ぎ、将来の収支を見据えた計画的な資金管理を行うことです。資金調達も資金繰りの手段の1つであり、良好な資金繰りを維持することで、安心して事業を展開していくことができるようになります。

資金繰りと混同しやすい用語に、キャッシュフローがありますが、それぞれ概念は異なります。キャッシュフローは過去から現在までの資金の流れを示すものであり、資金繰りはキャッシュフローに基づき将来の資金管理を行うことです。つまり、計画的な資金繰りにはキャッシュフローの把握が必要だといえます。

資金繰りは企業のいわば生命線であり、持続可能な経営を実現するために欠かせない要素です。

 

資金繰りが悪化する2つの原因

資金繰りとは、事業活動に必要な資金を管理すること

良好な資金繰りを行うには、資金繰りが悪化する原因をおさえておく必要があります。おもな2つの要因を解説します。

 

■事業費用の増大

資金繰りが悪化する原因の1つは、事業費用の増大です。

例えば、収入がなくても人件費や賃料などの固定費はかかり続けます。売上が減少すれば固定費の支払いは困難になり、結果、資金繰りが悪化した状態になります。また、売上高に大きな変動がなくても、原材料費などの変動費が高騰するとその分利益が減少し、事業費の支払いが難しくなるでしょう。

赤字経営が続くと運転資金の確保が困難になり、さらに利益を出すための仕入れもできなくなります。このように事業費用の増大は資金繰りを悪化させ、企業経営に深刻な影響を与えかねません。

 

■支払いと売上の入金にタイムラグがある

資金繰りが悪化するもう1つの原因は、支払いと売上の入金にタイムラグがあることです。

多くの場合、事業にかかる支払いは手形や売掛金を通じて行われるため、売上が順調だとしてもすぐに現金が手に入るわけではありません。また、将来を見越して設備投資をしても、即座に収益化につながるとは限りません。

例えば、売上が大きく増加した場合、継続して売上を立てるためには継続的な仕入れや経費が必要となります。しかし、売上の入金が遅れると、「手元に資金がない」状態になり、運転資金の支払いが難しくなります。

このように、支払いと入金のタイミングがずれることで、帳簿上では黒字であっても資金繰りが悪化することがあります。特に、成長期にあるスタートアップ企業では、このタイムラグが原因で一時的な資金不足に陥るリスクが高まるため注意が必要でしょう。

 

資金繰りは「苦しくなる」前の対策が鍵

資金繰りの悪化を防ぐには、キャッシュインの早期化とキャッシュアウトの抑制の2つの面から対策する

資金繰りが悪化してしまうと、その後とれる対策は限りがでてしまいます。そのため、前述した資金繰りメカニズムを把握し、事業計画等の未来と現状を定点観測しながら、早めに資金繰りに対処することが大切といえるでしょう。

例えば、追加融資やファクタリング等も、実際に「資金繰りが苦しくなった」状況でのレスキューファイナンス目的で行うより、その前段階の方が実行できる可能性が高まります。

ここからは、キャッシュインの早期化とキャッシュアウトの抑制の2つの面から、事前にできる対策を紹介します。

 

■金融機関から追加融資を受ける

一時的な資金不足で、返済が十分に見込めるようであれば、金融機関から追加融資を受けられる可能性があります。

特に日本政策金融公庫からの融資は、民間の金融機関よりも金利が低く、スタートアップ企業向けの融資も多いため有用な選択肢といえるでしょう。すでに他の金融機関から融資を受けていても相談可能です。

融資は借入期間によって短期借入金(返済まで1年以内)と長期借入金(返済まで1年以上)の2つに分類されます。運転資金の一時的な不足を補うために短期借入金を、設備投資には長期借入金を活用することが考えられます。

ただし、公庫や金融機関からの融資は手続きに時間がかかるため、すぐに資金を入手できるとは限りません。また、資金繰りが厳しい状態では融資を受けることが難しい場合もあります。

金融機関からの追加融資は資金繰り対策として有効ですが、早めの対応が鍵となります。適切なタイミングで融資の相談を行うことが大切です。

関連記事:
国庫を財源とする融資制度を解説!日本政策金融公庫とは

短期借入金とは?長期借入金との違いやメリット・デメリットを解説

 

■過剰在庫や未回収売掛を現金化する

資金繰りの改善には、過剰在庫や未回収売掛金の現金化も有用な手段です。

過剰在庫を減らすと保管にかかる費用を節約でき、その分売上時に得られる手元の資金が増えます。不要な在庫をセールや割引販売で早急に処分することで、迅速に現金を確保することが可能です。

次に、売掛金の現金化、つまりファクタリングを活用する方法もあります。売掛金をファクタリング会社に売却することで、多くの場合、数日以内に現金を得ることができます。ただし、ファクタリングでも、三社間ファクタリングを活用すると、資金繰りの苦しい状況が取引先に知られるリスクがあります。二社間ファクタリングは手数料が高いというデメリットがありますが、迅速な現金化が可能となります。

関連記事:
ファクタリングとは?メリットやデメリット、資金繰りで注意したい点も紹介

 

■RBFで資金を調達する

RBF(Revenue Based Finance)は日本語で収益還元型金融を意味する、将来発生する予定の売上債権を現時点で買い取ってもらう資金調達方法です。

支払いの一部が売上に依存するため事業の安定性が求められますが、銀行からの融資などに比べ迅速な資金調達が可能となります。また株式が希薄化しないため、経営の柔軟性を保てるメリットもあります。

RBFについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:
RBFとは?スタートアップ企業が活用するメリットやほか他の資金調達との違いを解説

■支払い方法や返済スケジュールを変更する

支払いや返済のスケジュールを遅らせることで、手元資金を確保し経営の安定性を高めることが可能です。

例えば、金融機関に返済スケジュールの変更を相談し、返済期間を延長できるケースもあります。毎月の支払い負担を軽減し、その分一時的に手元に資金を残すこともできます。

また、BNPL(※1)などの後払い決済手段を活用することも1つの方法です。例えば、弊社が提供している広告費の4分割・後払いサービス「AD YELL(アドエール)」(※2)を活用すれば、商品やサービスの代金を分割・後払いにでき、一時的なキャッシュフローの重い負担を軽減できます。

 

「AD YELL」を詳しく見る

 

※1 後払い式の決済手段「Buy Now, Pay Later」の略。信用調査が簡易なため、欧米・若年層を中心に市場の広がりを見せている。今後、さらなる市場規模の拡大が予測されており、BtoB向けサービスの広がりも注目を集めている。

※2 「AD YELL」は、バンカブルが提供しているWeb広告の出稿費用を4回に分割・後払いが可能となるサービスです。請求書払いと法人カード払いに対応しており、オンラインによるお申し込みから最短3営業日でご利用が可能になります。原則として、担保や連帯保証人のご用意が不要(*)で、融資ではなく立替でサポートするため、今後の事業者さまの借入枠にも影響を及ぼしません。これらのサービスを通じて、事業者さまのキャッシュサイクルを改善し、運転資金を圧迫しない形で事業成長を支援いたします。
*「担保・連帯保証不要」は原則であり、場合によってはその限りではありません。ご了承くださいませ。

 

■業務フローを見直し、外注も検討する

資金繰りを改善するためには、業務フローを見直しコスト削減や生産性の向上を目指すことも大切です。

業務フローを見直すことで、無駄な作業を削減し効率性を高め生産性を向上させることができます。例えば、作業手順を見直し自動化できる部分を増やすことで、時間と労力を節約できます。

また、業務の一部を外注することで、固定費を変動費に移行し、コスト削減を図ることができます。具体的には、専門知識を要する業務や、一時的な業務量の増加に対してフリーランスや専門業者を活用することが有効です。

 

■事業のM&Aを検討する

自社内でとれる対策が尽きた場合は、M&Aによる事業売却で資金を確保し、経営の再建を図ることも選択肢になるでしょう。

不採算事業を他社に売却することで、即座に資金を手に入れることが可能です。自社では採算が取れていない事業でも、他社ならば効率的に運営でき、利益を上げることができるかもしれません。例えば、自社のリソースが十分でない事業を、同業他社や異業種の企業に売却することで、双方にメリットが生まれます。

さらに、売却で得た資金を使い、経営の立て直しや他の有望な事業への投資に充てることができます。これにより、全体的な経営状況の改善が期待できます。

自社の状況に応じて適切なタイミングでM&Aを検討し、経営の安定と成長を図ることが重要といえるでしょう。

 

資金繰りの悪化を防ぐ4つの対策

資金繰りの悪化を防ぐために日頃から実行しておきたい4つの対策

資金繰りの悪化を防ぐために、日頃から実行しておきたいポイントを4つご紹介します。

 

■資金繰り表を作成する

資金繰り表とは、一定期間の現金収入と現金支出を区分・科目ごとに分類し集計する表です。現金収支の動きや現金過不足の実態を把握することで、資金不足を事前に防ぐことができます。

資金繰り表は次のような項目を含めて作成します。

  • 前月繰越
  • 営業収支
  • 財務収支
  • 経常外収支
  • 翌月繰越

資金の流れを見える化し、資金不足が予想されるタイミングを事前に把握することで、早めに資金調達を検討できるようになります。また、適切な在庫管理も行いやすくなります。

日本政策金融公庫のサイトでは、資金繰り表の作成に役立つフォーマットをダウンロードできます。記載例も掲載されているため、参考にしてみるのもよいでしょう。

 

■運転資金に余裕を持っておく

運転資金に余裕を持つことで、予測外の事態にも柔軟に対応でき、経営の安定を図ることができます。

事前に予測した収支が実際の結果と一致するとは限りません。そのため、3カ月程度の運転資金を確保しておくことが推奨されます。資金に余裕があれば、突発的な支出や収入の遅れにも焦らずに対策を検討できるでしょう。

資金に余裕を持つためには、前述した資金繰り表を毎月作成しておきましょう。実際の資金の動きをタイムリーに把握することで、今後資金が不足しないかどうかを予測することができます。

また、より資金繰りの精度を高めるためには、未来の事業計画や資本政策のシミュレーションを四半期に1回、少なくとも半期に1回は実施することが望ましいといえます。

 

■資金、ファイナンスの外部壁打ち相手を見つける

資金繰りについて不安があるなら、信頼できる相談相手を見つけておきましょう。例えばスタートアップ企業の相談先には次のような機関があります。

  • 日本政策金融公庫
  • 商工会議所・商工会
  • 中小企業基盤整備機構
  • よろず支援拠点
  • ワンストップ相談窓口Plus One
  • 税務署

これらの機関は、オンライン、対面、電話などで相談に応じており、基本的に無料で活用できます。

資金繰りに不安がある場合、商工会議所に相談することで、専門家から具体的なアドバイスを受けることができます。

また、自社にファイナンスの知識が不足している場合や時間が取れない場合には、外部CFOサービスや税理士などの専門家を活用するのも1つの手です。経営のプロフェッショナルからのサポートを受けながら、後述するような資金調達サポートサービスを活用していくことで資金繰りを改善していけるでしょう。

INQ

INQは、スタートアップの資金調達を多角的にサポートするサービスです。創業融資診断サービスや補助金診断サービス、そして情報提供を行う「INQ MAG」などのサービスを提供しています。

創業融資診断サービスでは、スタートアップのビジネスモデルや成長戦略を考慮し、適切な融資プランを提案、補助金診断サービスでは活用可能な補助金を診断し申請サポートを行います。

エクイティとの兼ね合いも考慮し、資金調達の成功確率を高めるための適切なルートを提案してもらえるため、スタートアップ企業は必要な資金を確保しながら、事業の成長を加速させることが期待できます。

※参考:株式会社INQ

SoLabo

SoLaboは資金調達支援実績6,000件以上を誇る、資金調達支援事業に特化した企業です。中小企業庁により経営革新等支援機関(認定支援機関)として認定されており、信頼性の高いサポートを提供しています。

新規事業の立ち上げや事業拡大に際して、SoLaboの支援を受けることで、スムーズな資金調達が可能になります。毎月120件以上の事業計画作成や、9億円以上の融資支援実行を行っているなど、ノウハウが豊富な点が魅力の1つです。

※参考:株式会社ソラボ

 

日頃から資金繰りに注意を払おう

日頃から良好な資金繰りを維持できるよう注意しておく

 

資金繰りは、企業の持続的な成長に欠かせない要素です。事業計画や企業の目標を達成できるよう、日頃から良好な資金繰りを維持できるよう注意しておくことが大切です。

たとえ黒字経営であっても油断はできないため、定期的に資金繰り表を作成する、運転資金に余裕を持つなどの対策も講じておきましょう。

弊社では「AD YELL」や「STOCK YELL」を通して、キャッシュフローの圧迫を軽減、資金繰りの改善をサポートいたします。広告費や仕入費の負担をおさえながら投資への加速をご検討の際は、ぜひ弊社にご相談ください。

資金繰りを改善することで、企業の健全な成長を実現していきましょう。

 

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