ECシステムの選定ポイントを解説!ECシステムを構成する機能も紹介

2024.07.11

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ECシステムの選定ポイントを解説!ECシステムを構成する機能も紹介

ECシステムは、自社の事業モデルに適したものを選ぶことが重要とされています。ECシステムのカスタマイズ性や運用機能などは顧客の満足度にも関係してきます。

ECシステムを構築するにあたり「どのようにして効果的なECシステムを選べばいいのか」「安定した運用で売上を伸ばせるECシステムにするには?」など、疑問に思っているかもしれません。

そこで、本記事では、ECシステムの構築方法や主な機能、ECシステムを比較する際のポイントなどを具体的に解説します。効果的なECシステムを通して、顧客のリピート化を目指し、売上につなげていきましょう。

 

目次

ECシステムとは
■ECサイトとは
■自社ECサイトとモール型ECサイトの違い
ECシステムの構築方法の種類と比較
■ASP
■クラウドEC
■ECパッケージ
■オープンソース
■フルスクラッチ
ECシステムを構成する機能
■商品に関わる機能
■注文に関わる機能
■会員に関わる機能
■デザイン関連の機能
■販促に関わる機能
■物流(配送)に関わる機能
■データ分析機能
ECシステムを比較する際のポイント
■自社のやりたいことが実現できる機能を実装しているか
■対応している決済方法の種類
■集客や販売促進に関する機能の充実
■運用機能の充実度
■可用性の高さ
■イニシャルコストとランニングコスト
事業規模や戦略に適したECシステムを選ぼう

 

ECシステムとは

ECシステムとは、商品やサービスをWeb上で販売・提供するためのプラットフォーム

ECシステムとは、商品やサービスをWeb上で販売・提供するためのプラットフォームです。具体的には、Webサイトを通じて顧客に商品を展示し、オンラインでの注文受付から決済、さらには顧客サポートまでを一元的に管理できる仕組みを指します。

ECショップのイメージとしては、Web上で公開された商品情報に基づいて、顧客が商品を選択し、注文するという流れになります。ハガキや電話での注文だったものをインターネットによって完結させるものです。

ECシステムを活用すると、物理的な場所にとらわれることなく、店舗を持たないオンラインのみの販売が可能となります。

■ECサイトとは

ECサイトとは、インターネットを活用した電子商取引(Electronic Commerce)の場を提供するWebサイトの総称です。多くの場合、「ショッピングができるWebサイト」として認識されています。経済産業省による「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」でも、EC市場の拡大が示されており、利用者数は年々増加しています。

ECサイトを構築するためのシステムは多種多様で、それぞれに異なる機能や特徴があります。例えば、カスタマイズの自由度、コストの機能のバランス、導入の容易さなどです。そのため、自社のビジネスモデルや販売戦略に適したシステムを選ぶことが重要だといわれています。

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ECサイトとは?種類や運営業務の内容、集客方法まで徹底解説

■自社ECサイトとモール型ECサイトの違い

ECサイトは主に「自社ECサイト」と「モール型ECサイト」の二つに大別されます。

自社ECサイトは、独自ドメインによる完全なブランドコントロールが可能であり、顧客データも自社で保有できます。全てのシステム管理やマーケティング活動が自己責任となるため、運用には専門的な知識とコストが必要です。しかし、その分だけサイトのカスタマイズや顧客との関係構築の自由度が高くなります。

これに対して、モール型ECサイトは、プラットフォームの知名度を活用して手軽に集客できる一方で、ほかのショップとの競争や販売手数料が課題となります。初期投資や運用の手間が少ないため、スモールビジネスやスタートアップ企業には適している場合が多い傾向にありますが、長期的なブランド価値の構築には限界があるかもしれません。

自社ECサイトについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご一読ください。

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【初心者向け】自社ECサイトを運営するには?メリットや作り方、成長企業事例などを解説

ECモールとは?出店するメリットやデメリット、売上を向上させるポイントを紹介

 

ECシステムの構築方法の種類と比較

ECシステムの構築方法はASP、クラウドEC、ECパッケージ、オープンソース、フルスクラッチの5つ

ECシステムの構築方法は主に5種類です。

  • ASP:比較的、手軽にECサイトを構築できる
  • クラウドEC:ASPよりカスタマイズ性に優れている
  • ECパッケージ:サーバー上にECシステムを構築する
  • オープンソース:無料で使用できる
  • フルスクラッチ:ゼロからつくり上げる

などがあります。

次に、それぞれのイニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(運用中の継続費用)、導入にかかるまでの期間の目安をまとめました。

構築方法 イニシャルコストの目安 ランニングコストの目安
(月額)
月商の目安 導入期間
ASP 無料~30万円 数万円~ 1000万円以下 1週間~
クラウドEC 約500万円~ 数十万円~ 500万円以上 3カ月~
ECパッケージ 約50万円~ 数十万円~ 数千万円以上 3カ月~
オープンソース 無料~ 無料~ 1000万円以上 1ヶ月~
フルスクラッチ 約1,000万円~数億円 数十万円 1億円以上 1年間~

自社の予算やECサイト開設までの期間のほか、自社のブランドや商品の販売に合っているかなどを見極めてECシステムを選定することが必要です。ASPはおよそ月商1000万円以下、クラウドECは月商約500万円以上、ECパッケージは月商数千万円以上、オープンソースはおよそ月商1000万円以上、フルスクラッチは月商1億円以上のECサイトが目安と言えます。

ここでは、どのECシステムを導入するのか検討できるようにするため、それぞれのECシステムの特徴を紹介していきます。

■ASP

ASPはクラウドを基盤としたシステムで、手軽にかつ迅速にECサイトを構築することが可能です。ASPの大きなメリットは、専門的な技術知識がなくても、事前に用意されたデザインフォーマットを活用してサイトを設計できる点にあります。比較的低コストで利用開始でき、短期間で市場への参入が可能です。

しかし、ASPではデザインの自由度や機能拡張が限られている場合もあり、オリジナリティのあるECサイトを構築したい場合には適していません。また、初期費用が低い代わりに、商品の売上ごとに手数料が発生するモデルを採用しているASPもあるため、売上が伸びれば伸びるほどコストも増加する点に注意が必要です。

BASE(ベイス)

BASEは、初期費用や月額費用ゼロ円からスタートでき、販売実績に応じた手数料のみで運営が可能となります。「BASE AI アシスタント」などの自動化ツールが組み込まれているため、自社では商品開発やマーケティングなど、事業の核となる活動に専念できる環境が整います。

BASEの決済手数料は、3.6%に加えて一律40円が必要で、決済方法にAmazon PayやPayPalを使用する場合は、さらにシステム手数料として1%が加算されます。また、サービス利用料は売上の3%とされており、売上に応じてのみ費用が発生するため、固定費をおさえながら事業を展開することが可能です。

Shopify(ショッピファイ)

Shopifyは、世界170以上の国で活用されている大規模なASPで、サブスクリプション型のソフトウェアです。Shopify POS(店舗販売管理用アプリ)を活用すれば、オンラインだけでなく実店舗でも一元的に販売管理ができます。また、14日間の無料体験期間があり、ベーシック、スタンダード、プレミアム、Plusの4つの料金プランから自社のビジネスニーズに合わせて選択することが可能です。

STORES(ストアーズ)

STORESは、初期費用0円から始められるECプラットフォームです。月額料金は、フリープランは0円、ベーシックプランは2,980円(初月は0円)です。特に、決済手数料は、フリープランで5%、ベーシックプランで3.6%となっています。また、Instagram連携機能やメルマガ機能など、顧客のファン化とリピーター化を支援する機能が無料で提供されており、小規模から中規模のビジネスオーナーにとって活用しやすいASPでしょう。

makeshop(GMOメイクショップ)

makeshop(GMOメイクショップ)は豊富な機能を備えたネットショップ構築サービスです。InstagramやAmazon、Yahoo!ショッピング、複数のマーケティングツールなど外部サービスとの連携もサポートしています​。

プレミアムプランの初期費用は11,000円、月額料金は12,100円、エンタープライズプランは初期費用が110,000円から、月額料金は60,500円からの設定となっています。また、15日間の無料体験期間があり、長期契約や複数店舗活用による割引も提供されています。

futureshop(フューチャーショップ)

futureshop(フューチャーショップ)は高度なカスタマイズ性と豊富な機能を備えたSaaS(※1)型ECサイト構築プラットフォームです。特に商品管理や販売機能が充実しており、商品情報の登録も自動化されています。独自のHTMLとCSSでデザインのカスタマイズも可能です。

また、会員機能や決済機能も強化されており、Amazon PayやPayPayなどの多様な決済オプションに対応しています。

料金プランは規模によってfutureshop、futureshop omni-channelの2種類から選択します。futureshopは初期費用22,000円から、月額料金は24,000円からとなり、futureshop omni-channelの初期費用は752,000円、月額費用は160,000円です。追加のオプションで機能を拡張することも可能です。

※1 クラウドサーバーにあるソフトウェアを、インターネットを経由してユーザーが利用できるサービスのこと。

■クラウドEC

クラウドECは、クライアントの具体的な要件に基づき、クラウド上でECサイトを構築し運用するシステムです。クラウドECは、カスタマイズの自由度が高く、ビジネスのニーズに応じて機能の追加や調整が可能です。また、サブスクリプション形式での使用料金設定が一般的であり、初期費用をおさえながら運用を開始できます。

クラウドECの特徴の1つとして、システムのアップデートや機能追加が自動で行われる点が挙げられます。常に最新のシステムを保てるため、システム改修のための時間やコストがかかりません。

GMOクラウドEC

GMOクラウドECは、最後に紹介するフルスクラッチに匹敵するカスタマイズ性を持ちつつ、クラウドの利点を活かしたEC構築プラットフォームです。料金体系は、初期構築費用に加えて月額のライセンス料と保守費用が必要ですが、構築の規模やカスタマイズの程度によって変動します。

また、運用代行・マーケティング支援・コンサルティングといった支援も提供しているので、日々の管理負担を軽減しつつ効率的な運営を行えます。

ecforce(ECフォース)

ecforce(ECフォース)は、D2Cに特化したクラウドECシステムです。広告管理や分析機能、チャットボット、パーソナライズ機能など、マーケティングと売上向上のための機能が充実しています。また、毎月多くの新機能をリリースし、常にECトレンドに対応している点も特徴の1つです。

料金プランは「スタンダードプラン」「エキスパートプラン」「移行プラン」の3種類があり、初期費用はプランによって148,000〜248,000円、月額費用は49,800〜99,800円が目安となります。

ecbeing(ECビーイング)

ecbeing(ECビーイング)は多様な業種に対応可能なクラウドECシステムで、1,600以上のサイト構築実績があります。商品管理や会員管理、注文管理の基本機能に加え、販促や分析機能も豊富に備えており、サイトのコンテンツやデザインの更新も簡単に行えます。

また、高いカスタマイズ性を持ち、顧客のニーズに合わせたECサイトを構築できる柔軟性が特徴です。さらに、24時間365日のサポート体制と強固なセキュリティ環境を提供し、クラウドベースの安定した運用が可能です。

料金プランはミドルプラン、エンタープライズプランの2種類で、初期費用や月額費用は要問い合わせとなります。

W2 Repeat(W2 リピート)

W2 Repeat(W2 リピート)は、D2Cリピート通販に特化したECカートシステムであり、定期通販事業の売上向上に必要な1,000以上の機能を備えています。主要な機能には、フォーム一体型LPや会員ランクシステム、クーポン機能などがあり、顧客の購入行動を細かくセグメント化しパーソナライズされたマーケティングが可能です。

料金プランに関しては、事業規模に応じて、スタンダードプラン、​プロフェッショナルプラン​、エンタープライズプランの3種類が用意されています。サポート体制も充実しており、各フェーズに応じた専門チームが製品活用のアドバイスからトレンドに合わせたサービス情報の提供までをサポートしています。

■ECパッケージ

ECパッケージは、サーバー上に直接ECシステムを構築するため、専用のサーバー環境を準備する必要があります。高度なセキュリティとフルカスタマイズが可能になり、オリジナリティ溢れるECサイトを構築できます。

ただし、定期的なメンテナンスと更新が必要で、システムが陳腐化することを防ぐためには数年ごとの大規模な改修が求められます。

commerce21(コマース21)

commerce21は、顧客のロイヤルカスタマー化を実現するために、企業向けに専門的な技術コンサルティングを提供しているサービスです。初期の要件定義から開発、運用保守に至るまで、一貫したメンバーがワンストップでサポートします。

Commerce21のメリットは、大規模ECサイトや特殊性の高い要求にも対応可能なカスタマイズ力と、数百億円規模のEC売上や瞬間トランザクション数千規模を支える拡張性の高いシステム基盤を備えている点です。そのため、どのようなビジネスモデルにもフレキシブルに対応することができ、EC業界での競争力を高められるでしょう。

■オープンソース

オープンソースのECシステムは、ソースコードが公開されており、無償で自由に活用できる点が大きな魅力です。公開されているソースをダウンロードし、自社のサーバーにインストールすることで、ECサイトを立ち上げられます。

オープンソースの特徴の1つとして、ソースコードの改変が許可されているため、デザインや機能のカスタマイズが無制限に行えることが挙げられます。

しかし、自由度の高さを活かすためには、開発やカスタマイズを行える専門的な知識が必要です。また、ドメインの取得やサーバーの維持には別途費用が発生するため、これらのコストも考慮に入れる必要があります。

オープンソースは、ECサイト構築の経験があるエンジニアがいる企業や、初期費用をおさえて高い自由度を求める企業に特に適しています。

EC-CUBE(イーシーキューブ)

EC-CUBEは、オープンソースのEC構築プラットフォームとして、スモールスタートから大規模なECサイト運用まで幅広く対応しています。EC-CUBEは、日本国内だけでも35,000店舗以上に活用され、年間流通総額は約2,100億円、ダウンロード数は180万に達しています。

ECマーケティング株式会社が行ったネットショップ動向調査において、月商1,000万円以上のネットショップにおいては、利用数No.1を誇るプラットフォームです。

■フルスクラッチ

フルスクラッチは、企業独自の要求に完全に対応するカスタマイズが可能な開発方法です。クライアントの具体的な要件に基づきゼロからシステムを開発するため、フルスクラッチでは時間と費用がかかりますが、その分、完全にカスタマイズされたECサイトを立ち上げられます。

低コストで使いやすいECシステムが多く登場しているため、フルスクラッチでECサイトを構築する企業は減少傾向にあります。しかし、フルスクラッチは、競争力のある独自の機能やユーザーエクスペリエンスを実現できるため、特に特殊な業界やニッチな市場で活動する企業に適している方法です。

 

ECシステムを構成する機能

ECシステムは主に、「商品」「注文」「会員」「デザイン」「販促」「物流(配送)」「分析」に関わる機能を有する

ECシステムは主に、「商品」「注文」「会員」「デザイン」「販促」「物流(配送)」「分析」に関わる機能を有しています。それぞれの役割を詳しく確認していきましょう。

■商品に関わる機能

  • 商品管理機能
  • 在庫管理機能 など

商品管理機能や在庫管理機能はECシステムの根幹となります。商品名や価格、説明文の登録や編集を行え、常に最新の商品情報を顧客に提供できます。また、在庫管理機能は販売や仕入れの情報を基に在庫の数量をリアルタイムで更新し、在庫切れの際には自動で「売り切れ」表示を行うことが可能です。

ECサイトで正確かつ効率的に商品情報を管理し、顧客に快適なショッピング体験を提供するには商品管理機能や在庫管理機能が欠かせません。

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在庫管理の基本をわかりやすく解説!自社に合った在庫管理システムを構築しよう

■注文に関わる機能

  • 注文管理機能
  • 決済管理機能 など

注文管理機能は、注文情報を整理し、正確に処理するための重要な機能です。注文された商品の種類、数量、金額、顧客が選択した決済方法などのデータを管理します。

また、決済管理機能は、顧客の支払い情報を安全に取り扱うための機能です。注文処理の正確さは顧客満足度を大きく左右するため、重要な機能といえるでしょう。

■会員に関わる機能

  • 会員登録機能
  • メール配信機能 など

会員機能は、ECサイト訪問者を顧客化し、長期的な顧客関係を築くために重要な機能です。会員登録機能とメール配信機能を活用すれば、顧客情報をデータベースに保存できるだけでなく、マーケティング活動も行えます。

例えば、誕生日クーポンの送付や新商品情報のメール配信など、個別の顧客に合わせた販促活動が可能です。また、購入履歴に基づいてパーソナライズされた商品推薦も実施でき、顧客のリピート率を高められます。

■デザイン関連の機能

多くのECシステムでは、HTML知識がなくても操作可能なCMS(コンテンツ管理システム)(※2)を搭載しています。サイトの管理者は、CMSを活用してコンテンツの更新や追加、編集などをインターフェースを通じて行うことが可能です。CMSがあることによって、デザイン的な知識がない従業員でも、日常的にECサイトの更新作業を行えます。

※2 サイトのコンテンツを構成するテキストや画像、デザイン、レイアウトなどの保存・管理や配信に必要な処理を一元的に行うシステムです。

■販促に関わる機能

ECサイトの販促機能は、キャンペーン設定、クーポンの発行と配信、レコメンド機能など、さまざまな形で提供されます。顧客の購買意欲を刺激し、リピート購入を促進するために設計されています。

フルスクラッチやオープンソースのシステムでは、自由度が高く、カスタム可能な販促ツールを実装することが可能です。

例えば、楽天市場のような大規模なECモールでは、RPP広告などの検索連動型広告を活用して、特定のキーワードに基づいた商品広告を顧客に提示できます。ただし、モール型ECでは、モール固有のルールに従って販促活動を行う必要があります。そのため、モール側がどのような販促機能を用意しているか確認しておきましょう。

■物流(配送)に関わる機能

  • 入荷・入庫管理機能
  • 出荷・出庫機能 など

物流機能は属人的だった出荷業務を自動化できるため、効率的な配送が可能になります。顧客満足度の向上とリピート率の増加に直結するため、最終的には企業の売上向上にもつながる機能です。

入荷・入庫管理機能では、入荷予定の事前登録と納品書によるカウントで、入荷ズレや入荷ミスを効率的に改善することが可能です。また、出荷・出庫管理機能では、商品の出荷に必要な配送先情報の管理、顧客からの受注後の出荷予定の登録ができます。

その他、「送り状未発行」「伝票番号未反映」「出荷確定待ち」などのステータスを細かく管理することで、出荷プロセス全体の可視化が可能です。

■データ分析機能

データ分析機能を用いることで、ユーザー属性や使用デバイス、流入チャネルやページごとのアクセスなど、多岐に渡るデータを収集し分析することが可能です。分析結果から、サイトデザインの改善や効果的な商品の仕入れ、マーケティング戦略を練ることができるでしょう。

ECシステムとは別に、Google Analyticsのようなデータ分析ツールも存在します。しかし、使いこなすためには専門知識が必要です。そのため、ECシステム自体に高度なデータ分析機能があると便利だといえます。

 

ECシステムを比較する際のポイント

ECシステムを比較する際は、機能の充実さやコストを参考にする

ECシステムを選定する際は、多様な要素を検討する必要があります。以下では、適切なシステム選びに欠かせない重要なポイントを具体的に説明します。

■自社のやりたいことが実現できる機能を実装しているか

まず、どのようなECサイトを運用したいのかを次のような観点から明確にイメージし、それに必要な機能を実装しているか確認しましょう。

  • 販売予定の商品やサービスの種類、商品のプロモーションの仕方
  • ECサイトの規模感
  • ECサイトの運営人数
  • 会員登録の有無や決済オプション、ポイント付与
  • 検索機能

販売予定の商品やサービスの種類、商品のプロモーションの仕方は大きなポイントとなります。例えば、音楽や動画などのデジタルコンテンツを扱う場合、対応可能なファイルの種類や容量がシステムによって異なるため、扱う内容によって適切にサポートされているかを確認することが必要です。

また、ECサイトの規模感もイメージしておきましょう。低コストで運用したいのか、高い売上を見込めるのかによっても、適したECシステムは異なります。特に、商品数が多い場合や、さまざまなカテゴリーの商品を扱う場合は、細かな商品分類が可能なシステムが求められます。

さらに、ECサイトの運営には複数の従業員が関与することが多いため、管理用ユーザーアカウントを複数発行できるかどうかも重要なポイントです。管理画面の操作が簡単で、専門知識がなくても商品情報の追加や編集が行えるものであれば、効率的に運営できるでしょう。

会員登録を必須としないゲストチェックアウトオプションは、特に急いで購入したいユーザーにとって便利です。また、多様な決済オプションを提供することは、より幅広い顧客のニーズに応えることができ、特にクレジットカードだけでなく、銀行振込や代引き、デジタルウォレットなど多彩な方法をサポートすることが重要といえます。

購入に応じたポイント付与は、顧客のリピート率を高める効果的な手段です。楽天ポイントやPayPayポイントなど、ほかの多くのショップで使用可能なポイントシステムに対応しているかどうかも、ECシステムを選ぶ際の大きなポイントです。

さらに、多くの商品を扱うECサイトでは、強力な検索機能が必須です。顧客が簡単に望む商品を見つけられるように、複数のフィルターやソートオプションを備えた検索エンジンが求められます。

ECシステムを選択するにあたって、実際に他社が使用しているシステムを見ることや、無料デモや体験版を試してみることも非常に有効です。実際の操作感や機能性を事前に理解することができ、より適切なシステム選択につながります。

■対応している決済方法の種類

クレジットカードは最も一般的な選択肢ですが、コンビニ支払い、後払い、銀行振込、ID決済、キャリア決済、QRコード決済といった方法も広く活用されています。それぞれの決済方法には手数料が異なるため、選定時にはコストの面も考慮する必要があります。特に、ほとんどのECサイトで対応が必須とされているクレジットカードを基本に、顧客の利便性を高めるためにほかの方法も提供することが望ましいです。

■集客や販売促進に関する機能の充実

ECシステムにおける集客や販売促進機能の充実は、オンラインビジネスの成長に不可欠です。

例えば、次のような機能が挙げられます。

  • メルマガ配信
  • クーポン発行
  • ポイント機能
  • 在庫切れ商品の入荷通知メール
  • 会員ステージに応じた割引
  • 複数アイテムの同時購入による「まとめ割引」など

また、商品情報を効率的に発信するために、InstagramやTikTokなどのSNSと連携し、ECサイトに登録された商品データを自動的にSNSで投稿する機能もあるといいでしょう。リアルタイムでの顧客へのアプローチが可能となり、マーケティングの効率を大きく向上させることができます。さらに、InstagramやTikTokなどのSNSアカウントは無料で使用可能であり、コストをおさえつつ効果的なプロモーションが行えるため、特に中小規模のECサイトにとって有益です。

こうした機能をフルに活用することで、集客から定着までをスムーズに実施し、継続的な売上向上を目指すことが可能です。

■運用機能の充実度

管理画面が使いやすいと、商品の登録や在庫管理、受注から発送までのプロセスが容易になり、従業員の負担を軽減できます。例えば、在庫管理機能では、商品が売れる度に自動で在庫数が更新され、在庫が少なくなると管理者に通知する自動アラートが便利です。

また、顧客への自動通知メール機能があれば、ECサイト管理者の手間も省けます。さらに、受注後に商品が一定期間発送されていない場合に管理者に警告を発する機能は、発送忘れのリスクを減らすために役立ちます。

お問い合わせのステータス管理をスムーズに行うには、データベースへの自動保存機能があると便利です。

従業員がストレスなく作業できる環境を整えることで、顧客サービスの質も自然と向上するでしょう。

■可用性の高さ

可用性とは、システムが継続的に正常に使用できる能力を指します。可用性が高いECシステムは、ECサイトがダウンするリスクをおさえ、安定して運用できます。例えば、システムの監視機能を備えていると、問題が発生した際にすぐに対応できるため、サイトのダウンタイムを短縮できます。また、障害発生時にアラームを発する仕組みは、迅速な問題解決を助け、サービスの中断を防ぎます。

自社サーバーで構築されたECサイトの場合、継続的なメンテナンスやセキュリティ対策が求められますが、専門知識と継続的な労力が必要です。一方で、ASPやクラウドベースのECシステムは、プロバイダーによってシステムが常に最新の状態に保たれ、セキュリティ更新や機能改善が自動的に行われるため、可用性が高まります。

ECサイトの可用性を高めるためには、技術的な対策としての監視システムの整備、障害対応の迅速化、そしてクラウドサービスの活用が有効です。

■イニシャルコストとランニングコスト

ECシステム導入において、コストは重要な考慮事項の一つです。オープンソースならイニシャルコストはほぼ無償で済みますが、ECパッケージやクラウドECを活用する場合、初期設定やカスタマイズに数十万円から数百万円の費用がかかることがあります。ランニングコストについては、ホスティング費用、メンテナンス契約、アップデート費用などが毎月または年間で発生します。

さらに、ECサイト立ち上げ後、売れ筋商品の仕入強化等での仕入費用等の成長資金確保念頭に置いておきましょう。仕入費4分割・後払いサービス「STOCK YELL(ストックエール)」を活用すると、キャッシュフローの圧迫を軽減します。同様に、広告費4分割・後払いサービス「AD YELL(アドエール)」(※4)では、売上よりも先に媒体への広告費の支払いが発生するといった、広告投資の先立つキャッシュアウトによる資金繰りの負担を軽減します。

ECシステムのイニシャルコストやランニングコスト、商品の仕入費などを全体的に考慮し、長期的なビジネス戦略に合わせてECシステムを選択しましょう。
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事業規模や戦略に適したECシステムを選ぼう

ECシステム導入時は、自社の事業モデルに効果的なものを選ぶ

ECシステムは、商品の展示から注文処理、顧客管理まで、ECサイトの構築と運用を全面的にサポートするサービスです。ECシステム導入時は、扱う商品の種類やECサイトの規模、必要な機能など、自社の事業モデルに効果的なものを選びましょう。

例えば、デジタル商品を扱う場合はダウンロード配信機能が、物理商品を扱う場合は在庫管理や配送オプションが充実しているシステムが望ましいといえます。

まずは、自社のやりたいことを明確にイメージし、それを実現できる機能を備えているかを確認しましょう。無料デモやトライアルを活用して、実際にECシステムを試し、自社に適したサービスを見つけ出しましょう。

 

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